三十一段  綾部を駈ける



昨夜うっすらと積もった雪の綾部周辺を駈けめぐった
京都駅1番ホームは丹波の入口 このホームはかつて鴨川の氾濫から守る為に京都周辺に造られた堤防の南端を利用してできたホームである
近年駅舎はモダンなものに建て替えられ 新幹線ホームと正反対のひっそりとしていたホームも久しぶりにいってみると
新空港の発着前のロビーのような雰囲気で さすがに民営化だと感心する。
各停で約2時間かかって綾部に着く
薄化粧からのひんやりとした空気が鼻にあたる

駅前にレンタサイクルがある バッテリー車と普通車がある 当然楽そうなほうを選ぶ しかしこれが大きな間違いだったことは
数時間後に判る。
手続きを終え 地図をいただいて 早速市外を通り抜け 綾部大橋を渡って 小高い丘の上に建つ 市立博物館と隣にある
天文望遠鏡通称「パル」に向かう
走ること7~8分途中のスーパーで食料品を仕入れるとその店のすぐ横あたりの町並みが少し変。
なんか明治村にきたような雰囲気 なんとこれがグンゼの本社と工場と資料館なんだ
たぶん明治の頃に立てられたのだろう 風格のある 趣のある建物が今も使われている
予定外であったが 資料館に入る 
 




写真は「資料館」と奥は本社屋

蔵風のつくりの中は製糸 や商品製造の資料がぎっしりと整理展示されている。
特に「きぬぐら」は蚕から生糸 絹製品までの製造工程や蚕の生態など見ごたえがあった。
日本の最大輸出品であった当時の盛大さがしのばれる。
資料館をでてまもなく
先日の大雨でこの下流に大きな被害をもたらした 由良川にでくわした 清くゆったりしたと流れである
綾部大橋を渡ってほどなく 資料館に行く坂になるが バッテリーの威力でかろうじて小山にたどり着いた。
資料館ではこの地域からの出土品や生活様式などが紹介されている
最近は地方の町でもこのような地元文化の紹介の施設を充実させてると感じた

綾部市資料館

さてその資料館のすぐ横にあるのが綾部市天文館・パオ
天文台に行くのは初めてのこと 非常に興味深いものである口径95cmといわれてもよくわからないが
お月さんのでこぼこは手に取れるようにみえるようだ
というけれど昼間は見ることが出来ない よるは8時に行けば昼間のチケットで再入場できるとか
でも日帰りの者には残念!
しかし担当の人が親切に展示の隕石に触らせてくれたり天体のハイビジョンの上映をしてくれたり
望遠鏡の回転やら天井の開閉を見せてくれたりと いたれりつくせり
この人も本当に天体が好きなんだろうな思った 




いただいた2004年の部分日食のカレンダー

パオをあとにして いよいよ今日のメインメニューの私市丸山古墳に向かう
パオから約10km冷たい風が頬や手に当たる 手袋があまり効かない ポケットのカイロに手を入れながら
目的地に向かう なかなか見えてこない 道が合っているのだろうかという不安に襲われる
そのうち なんか足が重い ペタルが重い なんとバッテリー切れのサイン
このバッテリーサイクルはバッテリーがあがると滅茶苦茶重くなる
この先とてもこげない
自転車センターに電話する 10分ほど待てば軽自動車に新しいバッテリーを積んできてくれた
どうやら冬のため早くあがるらしい まだ半分も来てないのに この先が不安だ。

なんとか走り出して見えてきた。



写真中央の禿山が「私市丸山古墳

昭和63年に発見され 現在古墳公園として整備されているが その中腹を高速度道路が貫いている
成立は古墳時代中期のもの由良川流域の王の墓だといわれている
直径は70mの円噴 拭き石は約6万個 周辺に置かれた埴輪は約1000基にのぼる
まさにこの地域の首長の墓にふさわしい堂々としたもの

古墳の中腹を貫いて走る高速道路

たとえぶち抜かれようとも このようにしてでも保存してくれた綾部市に感謝!
頂上部の竪穴の木管からはかぶとや刀・よろい・鏡・玉などが発見され さきほど行った資料館に展示されていた

写真はパンフレットより 古墳と道路の航空写真
頂上に立つと 死んでも 征服していたこの地を見守りたいという思いが伝わってくる
名残惜しいがこの地を後にした
元来た道を引き返し 聖塚と菖蒲塚に向かう
少し暗くなりかけ ペダルも重くなってきた 寒い 古墳の場所がはっきりしない
気が重くなる どこにあるんだ古墳君 住民に2度聞く なんとなく あの辺だろうという答え
不安のままペダルをこぐ あった!畑の真ん中に 前後してある5世紀の方墳で 少し高台にあり
拭き石と埴輪に囲まれていたというこの由良川沿いには焼く1000基の古墳があったというが
その多くは全壊・半壊という印がされている またまた残念!


古墳を後にする頃には夕陽が見送ってくれる
寒くつらかったものの なんとか目的を達成したような爽快感
登山家が頂上を極めたときというのはこんなんかな
なんて自己満足にひたりながら ビールだビールにペタルが軽い(本当は相当重かった)