九十四段 初夢(関東平野横断)その1
2015年1月1日夜行バス
数十年ぶりに正月を外で過ごすことになった
それで以前から関東方面でしてみたい 行って見たいところをリストアップ
宮中参賀・靖国神社参拝・ デズニーランド・ 浅草界隈・ 上野周辺アメ横
東京スカイツリー・ 埼玉(さきたま)古墳公園
四万温泉・法師温泉・ 山種美術館などなど
まず宮中参賀は両陛下のお出ましは2日の午前中
その後 ぶらぶら靖国神社まで歩いて参拝の予定
2015年1月1日21時出発 東京駅2日8時着予定の夜行バスに乗る
バスは満席だった インターネットで予約するとき最後の一席だった
でも横3列なので飛行機などより断然楽である
ところが1日の夕方から大雪である
京都・滋賀で20cm
このバスは京都駅・草津・彦根と寄る
まともに雪に突っ込むのである
案の定高速道路も通行止めのところも有って 多くの車が下を走る
道のいたるところに動けない車がある
人が歩くくらいの のろのろスピード
夜中の3時というのにまだ彦根にも着いていない
途中どこかの駅のトイレを借りて休憩
しかしkantaはそこから覚えていない
目を覚ませば真横に真っ白な富士山が見えていた
時間は朝8時で本来なら到着の時間 約4時間遅れである
このままではもう御高齢の陛下は見れない
若い皇族はまたいつでも拝顔できる
このコースはもう諦めた
バスは途中JR川崎駅に寄ることがわかり 急遽下車
ここから電車で都内に入り 一気に浅草に行く
地下鉄銀座線「浅草駅」を上がると雷門の直ぐ近く
人で身動き取れない 警官が出て整理をしている
雷門からさらに3分ほどの所の「浅草セントラルホテル」を予約している
とりあえずチェックインして荷物をおろす
朝食だけ追加
さあ荷物がなくなったので浅草界隈の散策のはじまりはじまり
なにがなんだか
流されるままに団子を食ったり店を覗いたり
雷門を出て東に向かう
隅田川とそれに掛かる吾妻橋まで約5分
橋を渡ると左手に墨田区役所・スカイツリー・アサヒビール本社ビルと通称「うんこビル」
が並んだように見える
金の大根のように見えるのはビールの泡を表しているとか
色が色だけになんとも
これが白なら完全に大根か溶けたソフトクリームかな
しかし手前の赤い欄干の橋と銀や白 金 黒の建物
なかなかの趣である
スカイツリーまではここから歩いて15分ほど
迫力がある
ドバイの800何メートルのビルもすごかったな
上に登るには相当な時間と料金である
ドバイのビルは当日券2万円 インターネット予約で6000円だった
下からで充分である
夜景が綺麗と言うので見てみたいが時間が中途半端
近くのラーメン屋でラーメンと餃子と生(この近辺ではほとんどがアサヒだった
アサヒの城下町の様 アサヒの営業マンも気を使ってますな)
いい具合に出来上がって外に出ると これまた出来上がっている
まあ良く出来てるは
何度も何度も振り返ってみてしまう
お月さんも結構移動するんだ
橋の袂から見ると
まさに「うんの月」
ホテルに帰る前に雷門あたりをぶらぶら
相変わらず多い人出
結構外国人も多い
有名店はどこも行列
客から金をもらうのに長時間待たせるようなサービス
しかできない店には行きたくないよ
とりあえず2晩目は足を伸ばしてベットで寝よう
ホテルの朝食はバイキングだが 正月特別でおせち
3日目にして御節らしきものをいただく
やっぱり関東はおすましのお雑煮だ
(お雑煮は絶対白味噌なんだけどな~)
余談ながら亡母の里では白味噌にあんころ餅を入れるという
それはなんともはや
ホテルも客が多い
正月にこんなにして御節や雑煮も楽でいいね
さて腹ごしらえも出来たし
地下鉄銀座線で2~3駅先の上野に行く
駅もごったがえしている
アメ横はどこですかと聞くと駅前の交差点を渡ったすぐ前
昔一度上野の国立博物館に行ったことがあるが
こんな目の前にアメ横があるとはしらなんだ
歳末後なのか全体がしらけている
全然活気がない
台湾の夜市の方が圧倒的に迫力といい規模といい
アメ横を凌駕している
第一 ここは臭いが無い
早々とぬける
しかし今晩の予約は埼玉県の行田市
予定では上野発15時20分の京浜東北線
まだ4時間ほどある
上野公園をぶらつく
普段なら絶対博物館に行くところだが正月休み
開いているのは美術館と動物園と科学博物館
順番に行ってみようとしたら美術館はきらいな行列 パス!!
次にあるのは国立科学博物館
1200円
なんだかよくわからないが光る繭とか光る鉱石とか
光通信の原理とか ほとんどがパネル展示
独立行政法人が仕方なくやってるという感じ
少し気を引いたのは展示物の角の方に
「ホアンホアン」の剥製が置いてあった
かつてのスターも寂しいもんだ
ここも早々と出る
期待は次の動物園
生きたパンダがいる
なんとここ 65歳以上は300円
以前白浜のワールドなんとかのパンダを見るのに3000円ほど払った
年齢確認無しで入れた やっぱり見た目65歳以上なんだろうな
入ってすぐにパンダ館
並んではいるがスムースに流れる
いるいる
今は2頭が飼育されている
一頭はお休み中
(おまえ達ここで死んだら あの博物館で剥製として展示されるんだよ)
動物は好きだし 見るのは楽しい
でも絶滅危機を回避するための捕獲 飼育は理解できても
見世物の為のZOOは理解できない
不忍池
そうそう西郷隆盛の像て見たことが無い
駅の近くまで戻って交番で聞くと
この階段を上がった右側にあるという
ええ そこはさっき通ったのに 気が付かなかったな
これが高村光雲の西郷さんだ
この人の「老猿」など素晴らしい
しかしこの周りの人は中国語の団体
写真を撮っているが西郷さんて何者かわかるかな
わかんねえだろうな(昔 はやったギャグ)
もうリュックを担いで歩き疲れた
ぼちぼち列車の時間
駅に向かう
京浜東北線で「赤羽」まで行き JR湘南新宿ラインで「熊谷」
熊谷で秩父鉄道に乗り換え「行田市」まで行く1時間半ほどである
「熊谷」で秩父線を待っていると列車が来た
20分ほどの待ち合わせなのに早いなと思ったら
なんとSL
へえ~こんなの乗れるんだ
と思って乗ろうとしたら女性の車掌さんが これはこの駅止まりですと言う
しかも要予約で別料金
カメラをぶらさげた乗客がぞろぞろ降りてくる
その内の40才代の男性がベンチで荷物整理をしていたので
「このSLはいつも走っているんですか」と聞くと
「いや 土日だけです 私は土日が仕事なので 正月の今日 なんとか乗れました」
と目を輝かして語る
そこからもう話は止まらない
kantaもカメラをぶらさげていたのでいわゆる「鉄ちゃん」と思われたのか
鉄ちゃん専門用語が次から次に出てくる
「この○○は一回事故ってるんですよね」「あの○○は○○なんです」
「念願のこれに乗れたので自慢出来るんです」
「多分明日も走ると思うので是非予約して1駅でも乗りなさい」と何度も言う
この○○はたぶん電気機関車とか蒸気機関車などの意味なんかな
あの~僕は鉄ちゃんではないんです
(どちらかと言うと 僕は 考古ちゃんなんですが・・・)
ホームには2人以外に
もう
誰もいなくなっていた
鉄ちゃんがしゃべ足らなさそうだが
どうにかkantaの電車が来たようだ
これに乗りますと言ってお別れをした
今日の宿は秩父線「行田市」駅から歩いて5分程の民宿「みなと旅館」
予約の時におばさんに「すみません正月の休みたい時に 申し訳ないです
本当に泊ってもいいですか」「いいですよ 他にもおられるので」
「そうですか それではお願いします」と言った
でも今日の泊りはkanta一人だった
31日に泊り客があったらしい
(すみませんね~)
大きなボイラー式のお風呂にもたっぷり湯がはられていた
冷えた体に最高の贅沢
しかいやはり寒い 関東平野は冷える
それにしても関東平野は広い
上野から2時間ほど走ってきているが 殆ど平野で
山が見え無い 田んぼ無い 畑も殆ど無い
高崎・大宮・熊谷など関西なら大都会
建物の切れ目が無い
この平野は日本島の成立過程で相当な量の河による土砂
と火山灰の双方の積み重ねが作り上げたのだろう
いわゆる「関東ローム」である
田んぼなど全く無い
ところで何で「行田市」なんだって
この「行田市」には もう何十年も前から来て見たかった
「埼玉(さきたま)古墳公園」があるのだ
公園は駅から3kmほどの所歩いて1時間足らず
バスの時間をおばさんに聞くと
「いいですよ 朝 車で送っていきますよ」「すみません お願いします」
来る時ちょっとした手土産をもってきておいて良かった
「公園」の展示館も正月3日間は休み
今日は4日の日曜日 展示館は月曜日が定休日なので
今日は休みの谷間の開館日 事前にメールで確認している
車なら10分足らず
公園入り口で降ろしてもらう
すぐに帰りのバスの時間を確認する
バスは昨日まで休み
右回りと左回りがあり 大体2時間に1本 ということはどっちか周りで1時間に1本
料金は1乗車100円
でも時間帯によっては2~3時間は無い
今は10時前だから 13時05分のバスに乗ろう
ということでまず博物館に行く
ここで発掘された遺物を見たり資料や情報を入手する
なんといってもここの目玉はこの「金錯銘鉄剣」である
稲荷山古墳から出土したこの鉄剣を含む全ての遺跡物が国宝になっている
しかしこの鉄剣の金象嵌があまりにもきれいので
監視をしているおばさんに「失礼ですが これは本物ですか」と聞く
「ええ 本物です」
「確か以前 上野の博物館で見たように思いますが」
「いえ あれはレプリカなんです」
「へえ~ では国立博物館のものがレプリカでこれが本物ですか」
「そうなんです 多くの方によく言われます ここの市長が 地元に本物を
展示したいという強い要望があり この展示も空気に触れないように
窒素ガスを充填して密封しているのです」
なるほどそれでカメラの接近を禁止しているんだ
カイロの国立博物館の「ツタンカーメンの仮面」のガラスケースはここより近くで見れて
下からも覗けて本当に感動したが
それに準じるくらいの感動を覚えた
日本の文字入りの剣は現在7本
その中でもこれは文字数(115文字)と内容(国の形がわかるような)が抜群である
この鉄剣と熊本の江田船山古墳の鉄剣(75文字)によって
当時の日本の支配者の勢力範囲が推測できるし
「雄略天皇(ワカタケ)」など本当に実在したのかどうかの大きな判断材料になる
「雄略天皇」というのは万葉集の一番最初の歌の作者
「こもよ みこもち ふくしもよ ・・・」
考古学には未だ謎が多い
本当に聖徳太子がいたんだろうかとか 仁徳天皇陵は本当は誰の墓だろうか
などなど
したがってこの鉄剣のような実証できる資料は貴重である
しばらくすると ボランテアのおじさんが館内を案内してくれるという
老夫婦とkantaの3人が案内を受けた
このおじさんも相当「考古ちゃん」老夫婦はバスの時間がある
と言って20分ほどで離れた
残されたkantaは時間的には余裕があると看られたのか
おじさんが「もう少しいいですか」と言いながら
「考古ちゃん」が続く
kantaはまだこの広い公園(確認古墳が9基)に行っていない
バスまであと1時間 ちょっといらついてきた
お礼を言ってさあ 駆け足で周るぞ
広い公園に見学者は少ない
多くの人は地元の人のウオーキングか犬の散歩
稲荷山古墳は2基の埋葬があった
右は盗掘されていて何も無かった
左が未盗掘の鉄剣の出た礫槨 なぜ未盗掘なのか それは この上にお稲荷さん
の社があったという 泥棒もまさかもう一つお稲荷さんの下
にあると思わなかったんだろう
「稲荷山古墳」の名前の由来でもある
博物館の人の話では 現在日本国内の世界遺産登録の申し出が12件あるらしい
申し込みは既に締め切られたそうだ
それでこの古墳公園は最後の12番目に申し込んだそうだ
毎年1件承認されたとしても最低12年かかる計算
しかも審査に通るかどうか
kantaの生きているうちに是非登録されたいものである
もう汗びっしょりでかけぬけた
バスも少し遅れたが来てくれた
行田市駅から熊谷まで戻り
ここから温泉巡りである
伊香保温泉・四万温泉・法師温泉と予約を入れている
その後は体力に余裕があればデズニーランドでもと思っているがさてどうなりますか
とりあえず今日の泊りの伊香保温泉に向かう
伊香保温泉にはJR高崎線で高崎まで行きそこでJR吾妻線で渋川まで
渋川からバスで30分 伊香保温泉である
約2時間半
予約旅館は「岸権(きしごん)旅館」伊香保では一番の老舗
1人旅の宿泊不可だったが直接交渉して割増料金でOK
温泉博士松田忠徳先生の名前を出したら3日ほどして返事があった
伊香保温泉は急な石段を中心に温泉宿がかたまって建っている
特別大きい 立派な宿はない どちらかといえば一昔前の
団体さんいらっしゃいの部類
こういう温泉街は次第に寂れていく
現に街のあちこちに老朽化した宿や土産物屋が無残な姿を晒している
少し大きな宿泊施設は温泉スーパーチェーンが安く買い取って
施設を生かして1泊2食で7800円とかで宣伝をする
しかし買い手の無い宿は温泉街のイメージを損ねる
今や温泉街は街全体のコンセプトで共同体のような街作りをしないと
個人客は来ない
かつてはお色気で売っていた北陸の山中温泉は見事に再生した成功例である
街全体がセンスにあふれている
共同風呂があり リーゾナブルな宿 こうろぎ楼や かよう亭のようなハイグレードあり
それでいて調和が取れている
街には若い女性客であふれている
若い女性が来ない温泉街はだめなのである
岸権には3つの名物風呂がある
エレベーターを2つ乗り継いで「六左衛門」「又左衛門」そして道路を挟んで外に露天の「権左衛門」
どれも程ほどにいい
ただ部屋が7階なので移動がめんどくさい
まあ今回は5回くらいの入浴にしておこう
明日はここから2時足らずの四万温泉泊なので昼過ぎまで伊香保散策
朝9時過ぎ 荷物を宿に預かってもらって出る
街の中心から1kmほどの山手に源泉がある
本当に源泉だ
お湯が透明である
時間が経つと湯の成分の鉄などが酸化して赤くなる
ここでも表面はすでに酸化が始まっている
この源泉のすぐ前に伊香保温泉協同組合の露天風呂がある
10分ほど待っていると開いた
10人も入ればいっぱいの露天湯船だが
これは本当に最高の湯
(インターネットより 伊香保温泉露天風呂)
隣にいた子供連れのおっちゃんは最初から最後まで
「ああ これはいい 気持ち良い ああ」
とうるさいほど連発
まあ気持ちはわかりますが
この源泉噴出しで54℃なので下の温泉街に着く頃はだいぶ温度が下がって
少し全体にぬるかったが
ここは熱い
加水して温度をぬるくした湯船があるので交互に入った
もうここだけで充分である
1泊しないで立ち寄り湯でもよかった
予想外のすばらしい露天風呂で多くの時間を使ったので
ロープウエイで風景だけ見て街を出よう
旅はいいな~
その2に続く