その28 上・下諏訪温泉・横谷温泉・益富温泉・湯村温泉・ほったらかし温泉・下部温泉
その1
いよいよコロナも終息に近づいてきた
外国の観光客の受け入れも加速し全国トラベルクーポンも開始される
老人1人旅も困難になりそうだ
兎に角行けるところは行こう
2022年6月13日~19日
1日目
早朝の新幹線は少し混んでいた
客が戻りつつある
名古屋までは30分ほどだ



名古屋からJR中央本線特急しなの3号に乗り塩尻まで行く
木曽路は山の中である 途中列車は徐行する
車掌が「左下に見えますのは寝覚めの床と言います。昔浦島太郎が竜宮城から帰り
目覚めた場所というところからなずけられました」と案内

この中央本線は名古屋から新宿・東京駅まで行っているんだ
昔 東京駅から新宿に行くのに中央線が早いからとよく乗っていたがここに繋がるんだ
今回はほぼこの中央本線沿いの温泉巡りとなる
しなの3号は塩尻から松本までいく
塩尻から諏訪まではローカルに乗る
今夜の宿は下諏訪温泉だがその前に駅を一つ通り越して上諏訪温泉に行く
駅の周辺から諏訪湖にかけて大きな旅館が並ぶ
駅から諏訪湖沿いの公園を15分ほど歩くと
間欠泉会館がある 何でも最近は自然には間欠しなくなったので
ポンプで30分おき位に吹かすそうだ
玄関には只今無料と書いてある 入るとお姉さんが只今噴湯は中止中ですという
そりゃ無料のはずだ





微かに噴気がある これは天然のものらしい
それにしても諏訪湖の沿岸は藻だらけ
嘗ての琵琶湖の様だ
今夜泊まる宿の女将にその事を言うと女将も最近見て驚いたと言う
この時期水温が上がり藻が増えるそうだ
周辺に多くの家や精密機械工場や温泉や観光関連があるのに
汚く見える自然には誰も行きたくない
コロナの影響で回復しようと言う気力も絶えたんだろうか 地元の方々の奮起を期待
湖岸の大通りを駅に向かうと目当ての「片倉館」がある


絹で財を成した片倉財団が地元の人々との社交場として
大きな温泉施設や宴会施設などを建てたそうな
現在国指定重要文化財となっている

NETから写真
1000人は入れないが50人は入れそう

洗い場も洒落ている じじばばには勿体ないほどだ
湯は無色透明で少し熱め42~3℃
この旅の初湯である 素晴らしい湯だ 上諏訪温泉の源泉はこの近くだそうだ
ここは勿論かけ流し
暑い日差しと温泉の熱気で汗が噴き出るが
外に出るとひんやりして涼しい
そうかこの諏訪湖自体が標高750mにあって天竜川の水源なんだ
大阪人は山の高さを比較するのは感覚的に生駒山(標高640m)である
生駒より高いやん そりゃ涼しいわなと納得



一駅戻って下諏訪に行く 駅構内の足湯
上諏訪駅まで1駅だが普通列車が少ない



諏訪湖周辺は全て御柱の国である
岸和田のだんじり祭りはこの祭りを中心に生活が周ると言われるが
ここは一つの町だけではなく広域(6市町村)で塩尻や茅野あたりまで及んでいるようだ
祭りの期間は企業も学校も休みとなるらしい そして参加する
駅から徒歩5分の観光案内所に貸自転車があるので借りる
身分証明にマイナンバーカードを使う
電動付き1時間100円

ちょっとふらつくが本当に軽い 少々の坂も大丈夫だ
とりあえず今夜の宿まで向かう
宿は諏訪大社下社秋宮のすぐ近くにある
小さなカバンに水と地図とタオルとカメラを入れて
大きな荷物は女将さんに挨拶して預ける
さあ出発

宿の前は中山道なんだ
趣のある街道沿いの宿場町






諏訪大社と言えば7年に一度(寅と申年)行われる式年造営御柱大祭通称御柱祭
今年は寅年なのだがコロナでその開催が危ぶまれたが御柱の運送にトラックを使ったり
拝観者には徹底した防疫策を施して実施されハイライトの木落は中止されたようである
尚 本宮や下社などで合計16本の御柱は樹齢100数十年の「もみ」の木だという
春宮の近くの「御柱館」では丁重な説明やDVDやパネルの資料を観た
「もみ」てXマスのイメージが強いがなんで「もみ」なのかを聞いたが不明
「もみ」はあまり他に使い道がない木だったのかもしれない
7年の式年の意味は何でしょうと聞いたがはっきりとした理由は不明
伊勢神宮の式年遷宮の20年というのも理由は不明
(掘っ立て柱や木材の傷み具合ともいわれるが)
もともと諏訪氏の出生は阿蘇氏とも三輪氏ともいわれ神官の系統だったんだろう

秋宮の隅に「御神湯」がある
ここが下諏訪温泉の源泉である
湯は50℃は超えている 触ると熱い
秋宮から春宮まで少し坂道を2~3kmあるのだろうかでも自転車は気持ちいいい




春宮の横の清流を上がると面白い石仏がある



これって駅の改札口でマスクしてたやん

神社からすぐの所「御柱館」
ここで館員と長くおしゃべり



宿に入る前に共同温泉に入る
いろいろあるが一番の高温湯で知られる「旦過湯(たんかのゆ)」に決めた


入浴料240円 殆ど地元の人5~6人

(NETから)
とても清潔感のある浴場
しかし本当に熱い「少し熱め47℃」「少し温め44℃」と書いてある
当然44℃にはいるがなんとか首までいけた
見ているとさすがに47℃に入る人はいなかった
露天がもう一つあるがそこは42℃くらいだったのでもっぱらそこが居場所になる
相対に諏訪温泉は上も下も温度が高いようだ
例の如く750mの高原の風はサイクリングに最適
自転車を返す 3時間で300円だった
宿に着く頃には少し天気が怪しくなる
宿は街道の中ほどにある幾つかの宿の前には温泉の手水がある
どれも熱い




300年程タイムスリップした感覚

その一角に5部屋ほどの小さな宿がある

「旅館みなとや」
松田忠徳先生の「新100名湯」に掲載の宿
少し長くなるが先生の本に
『綿の湯と云うのは横町にあって、温度46℃前後 浴槽は大きく 優に百人を容れるに足る。
旦過の湯は湯田町にあって 昔雲水がここに泊まって 朝に出て托鉢し 夕に帰って湯に浴したから 此の
名が出来たと云う 温度五十二℃。 兒湯。横町にあって 夫人がこの湯に入ればこ兒をはらむという處から
その名が生まれたのである。(日本温泉案内)
江戸時代より続く旦過の湯 兒湯は現存するが 下諏訪の発祥の湯である綿の湯がもうないもは寂しい
限りだ
もっとも源泉は健在である、綿の湯の源泉を引いた「みなとや旅館」に泊まった
木造二階建てにわずか五室。高浜虚子、小林秀雄らが愛した江戸中期創業の下諏訪
を代表する老舗宿である。
庭風呂で至福の一時を過ごすことが出来た。底に白い玉砂利を敷き詰めた風呂である。
綿の湯の源泉のやわらかな湯が 木製の湯船に合う
屋根掛けされたこの小さな露天風呂で、私は初めて日本の湯浴みの心を知った。
諏訪大社の懐に抱かれた神の湯。合掌』


マスクでよく判らないが50歳前後の明るくて楽しそうな女将に迎えられる
夕食は6時半からというので取り敢えずお風呂に行く
風呂は1ヵ所のみ
玄関を出て竹の仕切りを持ち上げくぐり右の奥の甲子戸を開け暖簾をくぐったところにある




こんな贅沢なことが許されるのだろうか 熱湯がほどよい温湯になっている
今日は他に客はいないようだ
この庭と風呂が独り占めだ 本当に素晴らしい湯だ
女将の話では湯は秋宮の御神湯を直接ひいて瓶に溜め少し温度を調整していますという


普段 哺乳類を食しないのでメインが馬肉とはこれ如何に
馬肉の刺身と鍋を食べないと他には・・・・
女将さんは話し上手で聞き上手だ
「それでそれで」「おもしろい」「それはなんで」と聞いてくる
ついつい会話に引き込まれる
「なんで当館を選んだんですか」と聞かれたので「松田先生の新100名湯を見ました」というと
「そうそうあの先生 全国周ってられてすごい先生 一度来られて帰るときに実は私はこう言う者で
次回は取材で寄せて頂きたいのですがとおっしゃいました」
「へ~そんな形で取材されるんだ」と驚いた
ふと時間を見ると9時半だった3時間も話していたんだ


明日はバスの加減で早くの朝食にしてもらった
兎に角寝よう
2日目
朝6時に下駄の音を忍ばせて格子戸をくぐり風呂に入った


焼きおにぎりと佃煮 健康第一!
宿は駅から徒歩12~3分
8時14分の高尾行に乗り茅野まで行く
茅野には早く着くがそこからのバスが1時間先しか無い
9時20分のあとは3時間先になるのだ
横谷渓谷は奥蓼科にある
今夜の宿横谷温泉は渓谷の下流にある
バスはその上流の横谷観音まで上がる そこから温泉までの渓流沿いを歩こうという魂胆
来たバスは「メルヘン街道バス」なんかはずかしい

茅野駅は海抜790mとある すでに高原だ
蓼科高原には多くの別荘が建ち那須や軽井沢のような雰囲気

途中「尖石縄文考古館」のバス停があった
八ヶ岳の山麓奥蓼科高原に2体の土偶が発掘された
これが国宝指定されて一帯からの発掘物とあわせて大きな展示館となっている
全く知らなかった
以前の新潟県の十日町の国宝「火焔型土器」と同じパターンだ
縄文時代には疎いんだなと我ながら思った

縄文のビーナス(茅野駅のポスター)
でもここに降りたら次は3時間後にしかバスは来ない
3名の乗客の内 初老の女性が1人降りられた
終点の横谷観音は川の底から相当高い位置にある
とりあえず川の見える所まで降りよう

上の地図の黄色丸が目的地
「王滝」の撮影スポットの往復の斜面が一番きつい





王滝 ああしんど!


ここが崩落したんだ 今は鉄製の橋がかかっている

川まで降りて来た

川を渡れば明治温泉の館に行ける
しかしこれは橋ではない
金属製の梯子から岩におりて木製の橋を渡る
地図では橋の絵が無いのでどうして渡るのかなと思っていたら これはこれは!
これだと水量が多い時は渡れない
すべって転落したら下まで流れそう

相当勇気が要る 背中の荷物が重い

崖の上に明治温泉館がある
明治温泉を通り越して徒歩5分に御謝鹿池(みしゃかいけ)がある
農業用のため池だが周辺の景色と水面にうつる逆さ景色と紅葉が美しい




東山魁夷も真っ青

因みに上の写真はNETにある紅葉の御謝鹿池
感涙!
明治温泉に戻り立ち寄り湯
愛想のいいおじさんが対応 休憩室は4時頃まで使えますよ 立ち寄り湯1000円


下の川に飛び越えて来た木の橋が見える
お湯は鉄の臭いがする茶色の湯 少しゆるめ40℃前後か

(明治温泉ホームページより)
紅葉や雪の時も美しいだろうな
さてあとは渓流沿いを下りながら宿に向かう
天候もいよいよ怪しくなってきた






冬は氷瀑になるんだ
宿を通り越して「乙女の滝」に行く 宿から10分たらずにある


名前からとは随分イメージが違う
雨のせいか水量が多い 水しぶきで近寄れない

横谷温泉旅館は大きい

建て増し建て増しで川沿いに長い
じじいは一番川上の3階(エレベーター無し)
風呂には近いがフロント・食堂には遠い
フロントのロビーには多くの老夫婦など50名程が座っている
来た順番にチェツクインの受付順の番号札をもらう
銀行とか役所のイメージ

ここはベストシーズンはまず予約出来ない
特に1人泊りにとっては夢の宿 何年もサイトを見ているが無理だった
昨年ある旅行会社の企画で1人でも泊まれるツアーがあって何度か申し込んだが
コロナ下で募集は15名以下なので料金が高くなることもあり何度も不催行だった
ある時 宿のサイトをみると1名1泊45万円と出ていた ふざけた旅館だと思った
そうだ どこかの旅行会社が割り当てを持っているはずだと思い捜すと1社(ゆこゆこ)にヒット
1泊一名可で18000円とある 少し高いが即決した
食事は18時から大広間 翌朝10時に茅野駅まで無料送車有り
40分3000円で貸し切り風呂がある 高いので断ろうとすると女将さんが
受付表に3000円と書いてあるのをペンで消して「良いですよ 入ってください」
と17時10分から50分迄の貸し切りを予約してくれた
貸し切りは2つしかないので予約数も限られるだろうが
これは宿のサービスなのか最初から値段に入っていたのかは不明
いずれにしてもバス送迎と合わせて得した気分

安っぽい部屋だが2間もある

窓の下は名物の川沿いの露天風呂の覆いが繋がっている
宿に入る直前に雨が降って来た
沢の音と雨の音が混じって豪雨の様な音が朝まで続いた
さあまず貸し切り温泉からだ

明治温泉と同じ色
この近辺は含鉄なんだ 温度も同じくらい40℃前後
タオルと爪が黒ずむ





美味しゅうございました
即食事だ







大広間が3~4あるがどこま満室だった
出汁以外は美味しゅうございました
さて名物川沿いの露天に行く
残念ながら人が多くてとても撮影できないが
渓流に沿って50m程の通路がありその先に長さ10m程幅3m近い岩盤をくりぬいた湯船がある

(NETより)
左に見えるのは女子風呂 しかし夜8時以降は男女入れ替わるので
ここは1度だけ入った
明日早朝向こうの風呂に行こう
雨はしゃんしゃんと降っている
3日目
早朝昨晩女子風呂だった所に行く
同じ造りかと思ったが全く規模が違った 普通のサイズの岩風呂
でもまあ写真は撮れた


宿からの出発は10時だが朝食は8時と決められていた
ゆっくりできる

茅野駅までは30分ほど
しかし普通列車は1時間20分程待つ
韮崎(山梨県)までは50分ほどだ
朝あれだけ食ったのに
匂いと音に誘われて 8割そばが滅茶美味かった


長野県と山梨県の境の駅「しなのさかい」わかり易い
ここも縄文土器が飾られていた
韮崎も小綺麗な町
駅のホームから韮崎観音が目の前に見える

説明によると昭和39年に市民の浄財で建てられその後
市に寄付され 高さ16.8m 重さ305t
高砂・大船を合わせて関東3大観音とされるとある
雨はぽつりぽつりでも傘は要らない程度
益富温泉行きのバスは1時間10分ほど待つ
するとマイクロバスが予定より15分ほど早く来た
一緒に待っていた老夫婦が乗る
じじいも乗るがなにか様子がおかしい
運転手に何度も益富温泉に行きますかと聞くと宿名は何ですかと聞くので「金泉閣」というと
老夫婦も同じ宿だった
バスはその先の村までいくので途中で降ろしますと結構ぶっきらぼうに言う
宿までノンストップだった
それでも約1時間は乗る 温泉は隣の北杜市(ほくと)にある
北杜にはサントリーの白州蒸留所や清里高原など自然がいっぱい
料金は1260円だった

宿のフロントで明日のバスのことも有るので聞いてみると
2つのバス会社が客の取り合いをしているのですという
今乗って来たのは料金も70円ほど高いらしいがノンストップである
明日は停留所のある山梨交通バスに乗ることにした
でも途中高原のルートを通り「ハイジー村」も通った(会社によってルートが違う)
ここからは富士山と南アルプスが一望されるらしい
今日はさっぱりだった


宿の前で降りる
兎に角辺鄙な所だ 宿は川のすぐ横にある
道を挟んで「不老閣」がある 本来ここの岩風呂が目的だったが予約時コロナで営業中止していた
その前にある「金泉閣」は6月8日から営業とあった
ここは80m地下からの源泉かけ流しだという
宿の外観は汚い 内装も今一しかしお湯は素晴らしい


布団はセルフ


洗面所 お湯をひねると茶色の湯が 温泉水を繋げているんだ
ラジウム泉は1日250mlまで大丈夫と書いてある胃腸や腎臓など利尿作用もあるらしい
やはり金臭い 250mlも飲めない味

部屋からの眺め
又 川の横だ ざあざあが耳から離れない
食事まで時間があるので一汗かく
本来少し下がったところに共同風呂が有り そこに入る予定だったが 今日・明日は定休日とか
なかなかのんびりした所だ
宿の横の遊歩道を歩く



益富温泉は日本三大ラジュウム温泉(益富・三朝・栃尾又)の一つ
温度は30℃なので温めた上がり湯が隣にある
ラジウムは気化するので部屋を締め切って温泉に長く浸かって肺に吸い込むのだそうだ
通常30分浸かって上がり湯に5分浸ってワンクール
それを1日3回するのだそうだ従って長い湯治客が多い
従って1日の宿泊料金が滅茶苦茶安い
従って施設もの改善も限られる
おまけにコロナの時期 密に長時間換気の悪い部屋に居れない
従って客が来ないのは仕方がない
本当に辛い話だ

換気をしていないので写真が撮りにくい
レンズを拭いても拭いても曇る


地下80mからの直接のラジウム泉がぼこぼこと音を立てて吹き出す
最初一緒に入っているおっさんがぼこぼこ咳をしているのかなと思った
30℃といってもさほど冷たさは無い
浸って暫くすると体がほかほかする感じで体中の力が抜けていく
眠くなる
他所ではタンクに貯めて出すらしいがそれでは気化して駄目になるという
大袈裟に言えば地球の呼吸のようだ

30分をきっちり2クールやった
朝に もうワンクールしょうと思ったがやはり朝の冷泉には躊躇する

飯を食って早々と寝る
4日目以降はその2へ