その20 蔵王温泉・銀山温泉・瀬見温泉・肘折温泉・赤倉温泉・鳴子温泉(御前湯・鬼首)
・遠刈田温泉・峩々温泉・飯坂温泉(その1)
東北シリーズ第2弾である。
京都駅前21:23分発山形駅7:56分着の予定であったが台風25号が日本海側にあり沿岸の高速が使えない
太平洋側の高速を走ることになった
1日目
予定より30分ほど遅れて山形駅に着いた
とりあえず今夜の予約ホテル(明日の列車が早い為駅前に取る)
に荷物を預けに行き カメラとタオルと傘を持つ
台風を追い越してきたのか風は強いがいい天気
駅前のバス会社で蔵王行きのチケットを買う
往復のバスとロープウエイで割引となる
蔵王温泉は標高880mでここから 鳥兜山1387m 地蔵岳1841mと2本ありどちらでも乗れる
現在強風で運行見合わせとなっているがもし中止なら払い戻しがあるというので
セットを買った
山を登り帰りに温泉に入ろうと思っていたが
温泉行きのバスさへ運行しておれば
温泉だけで満足である
ロープウエイの窓口でやはり「見合わせ中」とある
ではでは温泉巡りとしょう
一番山奥でしんどそうなところが「大露天風呂」


夜行バスからいきなりの急こう配 この坂は半端ではない!!



もう入口から強い硫黄臭
ここから先はノーキャメラ

(ネットより)
実際は酸化されてもっと真っ白 周りも森の中の谷川
10名ほどの老若男(女なし) これは素晴らしい青森の乳頭温泉の「鶴の湯」に似ている
本当にいい湯だ
とりあえず今回の旅の初風呂に大大満足
そこから5分ほど下ったところに「源七露天の湯」がある
ついでに入ったが
硫黄臭が足りない 残念!!
いよいよ目当ての「上湯共同浴場」に行く
(上の写真クリックでyoutubeの動画)
入湯料は自主払いで200円(入れるとチャリンという音ではなくザクという響き)
湯はやはり白かった
次から次とおじさんが入ってくる 狭い湯船は譲り合いながら入る
いい湯だ 本物だ
全身から硫黄臭をまき散らしながら
夢心地で町を歩いているとすぐに「下湯共同浴場」に出くわす

ちょっと待って! もう立て続けに駆けつけ3湯もしたのに
クールダウンで少し歩いていると またまた源泉(緑屋二号)とある
ここが共同浴場「川原湯」
これは我慢ならん 4湯目の梯子じゃ
ドアを開くとあっち向きのお兄さん一人
ついついシャッターを押してしまった
ここは少し湯が透明っぽい
ということはより源泉に近いのか

やはりそうだ 浴場の周りは真っ白になっている
もうもう大満足で山を下ろうとしたらロープウエイが再開していた

(上の写真クリックでyoutube動画)
先はどうなるかわからんが行ってみますか

頂上付近は全くの霧中
よくある「晴れておればこんなんです看板」を見て下山
ホテルにはいる前に駅前でラーメンと餃子と生ビール
ホテルの窓からの山形市内
2日目
6時半からホテルで朝食が摂れる
さあ思い切り食べて山寺に行くぞ~
山形駅7時55分発山寺駅8時13分着
仙台と山形を結ぶ仙山線である
これから山に行って帰って10時01分の列車に乗る
山寺参拝所要時間は往復2時間と書いてある




芭蕉と曾良さんの像(これから先いろんなところで出会う)
『山形領に 立石寺と云う山寺有
慈覚大師の開記にして 殊清閑の地也
一見すべきよし 人々のすゝむるに仍て 尾花沢より とって返し
其間七里計なり
日 いまだ暮す 麓の坊に宿かり置て 山上の堂に登る
岩に岩尾を重て山とし 松柏年ふり 土石老て 苔なめらかに
岩上の院々 扉を閉て 物の音きこへす
岸をめくり 岩を這て 仏閣を拝し 佳景 寂莫として こゝろすみ行のみ覚ゆ
閑さや 岩にしみ入る 蝉の声 』
芭蕉「奥の細道」




なんとか間に合いそう
駅前で1つ100円の美味そうなリンゴ
かじりながら山形行きの列車を待つ
途中羽前千歳で新庄行に乗り換え大石田駅(新幹線の停車駅)まで行く
美味いリンゴをかじっていたらふと気が付いた
あれ背中が軽いな~
そうだ駅のロッカーにバックパックのパックを忘れている
リンゴどころではない 後5分で列車は来る
鍵・鍵・鍵 あった!間にあった
今年の旅行はこんなことばっかり
いよいよかな~
ここで気が付かなかったらどこで気が付いたんだろう
羽前千歳で乗り換えたら都会の電車並みに混んでいる
そうか今日は祭日で行楽なんだと思っていたら
天童南駅でほとんどの人が降りた
いつものローカル線に戻った
なんでもこの町で芋煮大会があるらしい
大石田駅に着いてすぐにロッカーに行き「絶対に絶対に忘れません」と念を押して
鍵を引き抜いた
今からバスで銀山温泉に行く
駅前はがらんとしている
バス停には5~6年の小学生1人が待合所で勉強していた
なんとバスは1時間30分後12時35分発
そうかやっぱり甘かった昨夜確認しておけばよかった
銀山温泉でゆっくりしょうと予定より1時間早い列車に乗って来た
当然バスもあると思っていたがこの時間帯だけ抜けている
そうなんだな~
地方のバスは通勤通学通院の為に有り、土日祭とか昼間は2~3時間に一本
いやもっとすごいところは朝晩一本ずつのところもある
まだ走っているだけましまも
新幹線が止まる駅でもこんなんだもんな~
駅の地図を見ると歩いて15分ほどで最上川と書いてある
とりあえず歩く(荷物はロッカーだよ!)
20分ほど歩くも川らしきものは見えない
田んぼの真ん中にガソリンスタンドがあったので尋ねると
それは反対側の方向だと言われる
どうやら地図を反対に見たらしい
駅までもどり再度と思ったが馬鹿らしくなってやめた
あと40分ほどだ
駅の近くの家を見ていると1階部分は塗装されていない
ここまで雪がくるんだろうな
雨風の苦労はさんざんしているが雪の苦労は知らない
銀山温泉行のバスが来た
待合所で勉強していた小学生も乗る
「あなたはいつもこんなに長くバスを待つの」と尋ねた
彼は「はい」とも「いいえ」ともわからない表情でバスに乗った
45分 710円で着いた
すぐに帰りのバスを調べた 1時間40分後の14:55分に乗る
とにかくどこでもいいからお湯に入る
ここは今一番人気の温泉地 本来はこの温泉地に泊まる予定が
全部断られた
ここは宿数も部屋数も少ないので「ひとり客」はほぼ泊まれない
以前は1月2月ならと言っていたが最近はその時期雪景色を求めて
インバウンド(台湾・中国客など)でどこも満室らしい
日帰り立ち寄り湯もほとんどなくバス内でもらった案内チラシにも4軒
ただし時間が2時までとか1時半とか制限がある
バスを降りてすぐに立ち寄り湯を探す
3軒は「本日は立ち寄り湯はしておりません」の張り紙
勿論共同浴場も行ったが「地元の人専用となっています。立ち寄り湯
は17時以降になります」の張り紙
しかし一軒だけあったしかも1時半までとある
あと10分ある
「すみません大阪から来たものですが 10分で出ますからお風呂に入れてください」
30歳代のフロントのお兄さん 躊躇しながらもOKをくれた
とにかく銀山に入る

立ち寄り客用ということでもないだろうが お湯自体は特別のものでもない
入れていただいたのは「古勢起屋別館」
ありがとうございました
と思って礼を言って外に出て時間をみようとしたら時計がない
「すみません時計を忘れたようで」と
脱衣場に走る
最後の客だからよかった
それにしても先が思いやられる
さて落ち着いたところで町の散策
かつては銀鉱山 その時 工夫が川の温泉を発見したらしい
「おしん」の舞台で一躍知られ 古い建物とその町の風情が人気
休日とあって川沿いは清水寺から三寧坂のような人波





洋服でいるのが恥ずかしい気分
頑張って500m川上の銀山廃坑跡に行く

銀鉱山の入り口は立入禁止

40分2000円の貸し切り専門湯予約で満杯

美味しそうな饅頭屋 炭粉饅頭100円を買って写したが饅頭がぼけて失敗
やれやれ上手くバスに乗れた
車がここまで入れるのは宿泊客とバスだけ
日帰り客の車は14時以降は遠くの駐車場しかない
大石田駅に戻り間違いなくパックを取り出し新庄行の列車に乗る
ここはうまく接続していて陸羽東線(新庄ー小牛田)で瀬見温泉駅までいく
この線は別名「奥の細道湯けむりライン」と呼ばれ温泉名の駅が多い
「瀬見温泉駅」「赤倉温泉駅」「中山平温泉駅」「鳴子温泉駅」
「鳴子御殿湯駅」「川渡温泉駅」とある
今晩は初温泉宿泊まりの「瀬見温泉」
列車から降りたのは1人
線路をまたいで駅舎から川筋を歩いて15分足らず
17時前だが薄暗い

なんとか温泉街が見えてきた
宿泊宿「喜至楼」の本館は閉鎖されていた
隣の別館のみが開いている


宿の隣は神社 飲泉可の湯が出ている

(上2枚の写真はDVDから)
フロントは白髪の老婆が出迎えてくれた




とりあえずお湯
上品ないい湯だ







宿泊料金が少し高いかなと思っていたが
料理の内容で納得
ここに来るまでのいろんな所で食べたかった「そば」「山形牛」「芋煮」
「鮎の塩焼き」「最上(もがみ)の新米」全部揃っている
味付けも上品
本物に正直に向き合っていると思った
本当にこんな文化というか事業を何百年も継続するのは大変なことだ
昼間の喧騒と夜の陰陽 時の流れも 川の流れのように 人生を彷彿とさせる
3日目
無理を言って早い朝食にしてもらった
8時6分の列車の次は11時まで無いのだ
今日は新庄まで引き返して駅からバスで肘折温泉まで行って新庄に帰り
陸羽東線で瀬見温泉を通って赤倉温泉に行く
朝食はおかずが少ない分ご飯が進む 新米を2杯も食った
少し早く出て周辺を歩く
宿の前は共同浴場



落ち着いたいい温泉なんだけどな~


瀬見温泉駅
8時6分の列車は濃霧のため10分ほど遅れてきた
新庄駅でバックパックをロッカーに入れ本来はすぐにバスに乗れるところが乗れず
1時間30分待ちになった(まあこんなことも想定内)
待つのは肘折温泉のある大蔵村の村営バスである
おおむね1時間か2時間の間隔で走っている
新庄祭りに出る山車(ユネスコ無形文化遺産)が展示
本当に知らなかった こんなすごい祭りがあるんだ(http://shinjo-matsuri.jp/db/)
新庄駅の観光案内所で地図をもらい
歩いて20分たらずで新庄城址にいける
その横に歴史資料館もあるが今日は休館日


新庄駅 駅前通り


東北弁は柔らかくて聞いていても落ち着く
今回何度も「んだ」「んだ」を聞いた 「そうだ」の意味だと思うが
ついつい「んだ」「んだ」と言いたくなる

城址は神社になっていた


見事な朝顔(昼顔?)に写真を撮っていると通りの人も寄ってきて花の話
建設省の新庄工事事務所の建物の敷地内に「たいむかぷせる」があった
勝手に入り込んで写した
「2018年へのメッセージ」て今年ではないですか 何が出てくるのかな
いつ埋めたんだろう 見つかったら叱られると思い細かくは読んでいないが気になる
何だかんだでバスに乗る
乗客のばっちやまの会話
「ここさ何だ~」「小児科と内科だあ~」「なんでピンクにしたんだ~」
途中「本合海(もとあいかい)寺前」バス停で降りる
新庄市観光課にメールで問い合わせると芭蕉の像に一番近い停車場である
ただし一回降りると時間帯によっては次のバスまで2時間待ちですので
ご注意くださいとの返事 ありがとうございます
寺の門にはりっぱな「阿吽」があり寺内の一角に子規の句碑
そしてバス停から100m足らずに芭蕉と曾良の像が見えている
『最上川は みちのくより出て 山形を水上とす
ごてん はやぶさなと云 恐ろしき難所有
板敷山の北を流て 果は酒田の海に入
左 右 山おほひ 茂みの中に船を下す これをいなふねと云
白糸の滝は 青葉の隙々に落て 仙人堂 岸に臨て立
水みなきって 舟あやうし
さみたれを あつめて早し 最上川 』
芭蕉(奥の細道)
この道を「兜太通り」というらしい 金子兜太も来ているんだ


最上川がここで大きく日本海側に向けて左折している
かつてはこの辺りが乗船場だったが交通の便なのかどうか今はもう少し下流のJRの駅前から
の「最上川下り」となっている
今回川下りに行くか句碑巡りにするか時間的制約で1つしか選べなかったが
全く句の詠めない者にも興味のある場所だ
寺の裏山の「八向公園」に上がると斎藤茂吉の句碑がある

八向の盾(やむきのたて)中世の城跡とか
1時間があっという間だった
時間通り村営バスが来た
若い運転手は乗客は1人でも1停留所ごとに駅名と「通過します」を繰り返す
申し訳なくて「私は終点の肘折温泉です」と言いたくなった
温泉町の道は狭くバスはぎりぎりで軒先を走る





(上の写真クリックでyoutube動画)

ダムと源泉公園の帰りの川の前に一軒ぽつんとあるのが「羽賀団子」
いつかTVで見たことがある こんな離れたところに一軒なんだ
「小豆とずんだ2本ください」30代の若い息子と親父2人でやっているんだ
「大阪のTVでも紹介されていましたよ」というとにこにこと嬉しそうに笑う
本当にもちもちと程よい塩・甘加減で何本でも食べれそう




肘折には3軒の共同浴場があるが今日は曜日的に「上の湯」以外はお休み
おばさんに250円渡して入る
3~4人の地元の人が入っていた
湯はすこし熱めの緑がかった色
(上の写真はNETから 女性の方が撮られているので女湯ですが男湯とほぼ同じ)
さっきの源泉からすればかなり湯守されている
上向きになって寝ている人 風呂端でぼ~としている人
「ぼ~として生きてんじゃないぞ~」と叫ばれそう
川端の何軒か立ち寄り湯があったが
まあなんといっても地元の共同風呂のお湯が一番
ここだけにしておこう
小雨交じりの川沿いを散策
「おおくらくん 1号」で新庄駅までもどる
40分待ち 再び陸羽東線に乗り瀬見温泉を通過し瀬見から5つ目の赤倉温泉駅
で降りる
当初宿まで歩いて15分と聞いていたので歩こうと思ったがその後30分かかると知り
17時に近いこの時間迎えに来てもらった
数百年続く宿「赤倉温泉三之亟」の30才代の若旦那だった


部屋の窓下は川

さて食事前のひとっ風呂
おっとここは「おなご」だ~
「おどご」はここだ~
と言っても入り口は違えど混浴
おおおおおお~
(上の写真クリックでyoutube画像)
風呂の真ん中に自家噴泉がある
川底をそのまま取り込んでいるのか深い甌穴(おうけつ)の所は肩の所まで深い
底はぼこぼこで確認をしながら移動しないと危険
一晩中いつでも入れるが宿の人から転倒に注意をと言われた 確かに
上の写真の右の明かりの所が洞窟でそこが自家噴泉2号

いや~まいった まいった 半端じゃない
こんな温泉はそんなにあるもんではない
(上2枚はDVDより)
感動して何度も入っていると
おじいさんが話しかけてきた(おじいさんがおじいさんと呼ぶのも変だが)
「どっからだ~(後尾が上がる)」「大阪です」
「そりゃまた遠いところから」
そしてあとは彼の話に愕然とした
「今年90歳だ~ 山形で百姓してるんだ~ 昨日作業が終わったので温泉さ 来た
米は30kgは担ぐぞ~ 65歳の娘が広島にいるので高速に乗って米を
届けに行くんだ~ ベンツだ~」
(ほんまかいあな~と思って翌朝駐車場を見たらぴかぴかのベンツE350て書いてある
ほんまや!!)
「ここの風呂はいいが 髭剃りも置いてない 飯はまずい 1万円も取る あと1泊するが
もう来ないわ」
と綽綽として話す
歩き姿も綽綽としている
確かに味つけが悪い
ベンツじいさんが怒るはずだ
出汁という言葉を知らないのではないかと思うくらいまずい
汁物は食えない
ここは元は湯治用 最近では近くの「赤倉スキー場」の客用
部屋のつくりから味のつくりまで温泉客用にはできていないんだ
ただただお風呂は素晴らしい