その20 蔵王温泉・銀山温泉・瀬見温泉・肘折温泉・赤倉温泉・鳴子温泉(鳴子御前湯・鬼首)
・遠刈田温泉・峩々温泉・飯坂温泉(その2)
4日目
昨日から天気が悪い
今日はとっとと朝食を摂って駅まで送ってもらい
3つ先の鳴子温泉まで行く
あの90歳のベンツじいさんは連泊なので今日も
ぶつぶつ言いながら食事をするんだろうな
出発前に赤倉温泉周辺を散歩した


大きな旅館が閉鎖されている
全国多くの温泉街で見られる光景
ここも同じだ
なんとか共同風呂で客を集めようとしているのだろう
それが出来るところはまだいい
共同湯の周りに宿泊(風呂無し)だけの宿が有るという本来の姿
にもどればいいと思う
基本的には共同風呂だけでいいのでは
温泉風呂付宿が多すぎるとお湯の質が下がる
(「三之亟」のように源泉をもっておれば別だが)
鳴子温泉駅はさすがに立派
駅前には大きな旅館が建ち並ぶ
目指すは共同浴場のメッカ「滝の湯」

商店街をぬけ5分ほどの所に

建物の裏に回ると源泉が湧き出ている
そこから木をくりぬいて湯管で直接湯船に湯を落とす
温度調整も兼ねている
中は10名ほどが横たわったり湯に浸かっている
熱湯とぬる湯がある



(上3枚の写真はDVDから)
そこから少し離れてもう一つの共同風呂「早稲田桟敷湯」
文字通り早稲田大学の発掘調査で湧きだした源泉である
「滝の湯」より透明感があり温度も低め
ここからも各旅館にお湯が送られている
駅に戻ると予定通り「鬼首温泉(おにこうべ)」行きの大崎市営バスが待っていた
「日本人だけで作られた一番最初のダム」と書かれた鳴子ダム
このダムからさらに山奥40分
「間欠泉前」で降りる
バス停からこの「峯雲閣」まで走る 走る

鬼首温泉では4軒ほどの立ち寄り湯が出来る
ただし時間制約がありこの宿の終了時間は13時(他3軒は15時まで)
バスが着いたのは12時44分
歩いて5分ほどのところだが走る 走る
40才代のフロントのお兄さんに「大阪から来ましたなんとか5分でも10分でもお願いします」と
言うと「今 福岡からもそういって来られました。30分で上がってください 500円です」
という 助かった
脱衣場に行くと1名の老人と2名の若者が脱衣中
3人が先に風呂に入っていった
続いて風呂の戸を開くと3人がいない
一瞬 え~ どこに消えた!
目をガラスの向こうに向けると2~30m先に滝がありその滝坪に3人がいた
そこが露天風呂になっているんだ
滝つぼは10人は入れそうな広さ
あわててカメラを取り出し写すが老人がこっちに向かってきたので
結局撮れたのはこれ1枚
あの滝と滝つぼと川が温泉でざあ~ざあ~流れている
カメラを仕舞って滝つぼに向かう石と砂利が足裏に食い込む
すれ違った老人は隣の女湯にいる奥さんに「こっち来てみろ」
「でも男の人がいるんでしょう」「いいからタオルを巻いてこっちにこい」
結局老人2人と若者2人と老婆1人の5人で流れ落ちる滝を見ながら
滝つぼ温泉を満喫した
老人曰く本来今の時期は寒くてこの露天は入れないが今年は暖冬なのか
少しぬるめだけど十分に温泉だ
「これで紅葉だったらすごいですね」というと「いやあ 紅葉の時は寒いと思いますと」と老人
どうしてももう1枚写真をと思い宿を出てから探したが
上の写真が精一杯

(上2枚はDVDより)
宿のすぐ隣が「間欠泉」400円とある
まあこんなもんだろう
帰りにふとみると「湯滝」の矢印 まあ行ってみるか
それがまあとんでもない景色が
うす暗い狭い階段を15~6段降りると滝がざあ~ざあ~


さっきの峯雲閣の露天滝どころではない
高さも湯量も圧倒的だ
湯けむりが狭い谷にむんむんしてアマゾンのジャングル状態
立ち入り禁止になっているが とても怖くて入れない

下流にはまだまだ滝がありそうだ 全体が煙っている
来園の人を見ていると間欠泉をみてすぐに帰る人が多いもったいない
チケット係の素敵な女性に1時間半後のバスで鳴子に帰るのですが
他の立ち寄り湯に行けますかと訊く
車なら大丈夫ですが 山の起伏が多く歩いては無理かと思いますが このすぐ横からの
「地獄めぐり」なら1時間で行って帰れますよ と教えてもらった

おお 小雨交じりで人も車もない これが地獄への道か



(上の写真クリックでyoutubeの画像)





先は道がつぶれている ここまで
そうかさっきの宿や湯滝はこの下流にあるんだ
谷川にお湯が流れてほどほどにいい温度で流れ落ちているんだ
もう腹一杯満足 満足
バスの時間までバス停近くの建設中の共同浴場の横のレストランで
暖かいコーヒーを飲んで待つ
鳴子駅から1つ目
「鳴子御殿湯駅」に向かう
列車の車内で真ん中のオレンジのシャツの男の子が「こんにちは」と声をかけてくれた
御殿湯駅で一緒に降りた車内にいた右端の子に「君たちは列車通学しているんだね」と言う
「そだよ 乗り遅れたら大変だよ 都会だったらいいんだけど」そして「ぼくんち旅館だよ」
と言いいながら駅のすぐ前の旅館に向かって走り出す
「ああ! ごめんね 今日は違う旅館に泊まるんだ」と思わず言ってしまった
駅前温泉街
一番奥に今日の宿「大沼」がある
ここだけやけに輝いて見える
客も多いようだ
雰囲気が違う
宿の説明を受けていると
横に列車で声をかけてくれたオレンジシャツの男の子が居る
思わず「さっき会ったよね」というと首を縦に振る
こんな頃から客商売の芽が育っている
16時半にロビーに来てください
温泉に案内しますという
意味が判らなかった
ここの売りは旅館の裏山に隠れ家的温泉があり
車で5分ほど
この湯は1家族 1組 1人と個人単位なので 来た組から40分単位で案内している
という
これは来た者しかわからない隠し湯の門
奥が風呂(母里の湯)で手前は車の待合部屋(早く上がれば車が迎えに来るまでここで待つ)



う~ん これは何と言おうか
突然VIPになったような
自分一人の為に用意して待ってくれているんだ的な
宿に戻り
食事まで部屋で一杯



ビールは地ビール「鳴子の風」
ご飯は玄米 それに3種の胡麻を擦って振りかける
よく考えれば動物系は一切使用していない
そうかここは女性客に準特化しているんだ 夫婦や女性組が多い


酒を覚まし大浴場に行く
ここにも天女が舞う
完全にここは女性の世界だ
5日目
昨夜は一晩中雨
朝には一応止んでいた
朝も完全精進料理
胡麻ふりかけ玄米ご飯完食
いよいよ今日は旅館最後の宿泊地宮城県側から蔵王の中腹にある
「峩々(がが)温泉」まで行く
鳴子御殿湯駅舎
東北本線の古川駅まで行って新幹線に乗り換える
原則新幹線は使わないのだが白川蔵王駅からのバスに間に合わない
御殿湯駅で乗車券と古川から白石蔵王までの特急券が買えますかと
チケット売り場のお兄さんに聞くと「ちょっと ちょっと待ってください 調べます」と
言ってノートパソコンを開く
昨日は無人駅だったのに そうか時間帯で居たりするんだ
うろうろしながら「すみません 慣れないもんで まだ若葉マークなんです」といいながら
「はいはい 買えます買えます」汗をかきかきチケットをくれた
駅ホーム前

古川駅
おいおいおい どこにも白川蔵王に停車て書いてない!
ホームから下に降りて駅員に確認すると
「やまびこ42号で次の仙台で白石蔵王に止まるやまびこに乗り換え」だって
あの若葉ちゃんがうろたえるからこちらまで汗かきかきになる
こんな連結の新幹線がある
東北はいろんなところへ途中切り離して行くんだ~

白石蔵王からのバスは新幹線を使っても1時間待ち
新幹線を使わなければそのあと2時間後のバスになる

まあ何を見ても楽しい
大型バスが来た(「宮城交通バス」(ミヤコウ))
遠刈田温泉アクティブリゾートホテル行きに乗る
約1時間
例の如く客が1人でも「次は000お降り無ければ通過します」とマイク案内
ところが観光客1人なのか
マイクで「ここはなんとか邸です ここはなんとか川です 山の上に
見えるのは白川城です」と観光バスのように案内してくれる
客が1人乗り降りていなくなると又観光案内をしてくれる
そのうち運転手さんとの世間話が始まる
「明日帰りに白石城に行きます どの停留所が近いですか」「白石市役所前です」
「峩々温泉に行には2つの道がありますが宿の迎の運転手さんに滝の見える道を
たのんでみてください」などいろいろ教えてくれる
この人本当に観光客が好きなんだ 郷土愛が強いんだ
遠刈田温泉街を通り越して町のはずれが終点
たぶんミヤコウの経営だろう
結構泊り客や日帰り温泉客が出入りしている
宿からの迎えの車がなかなか来ないのでバスの運転手が心配そうに見ている
そのうち降りてきて大丈夫ですかと聞く
宿に電話すると別の方面からもう一台のバスが来てそのお客さんの到着時間
に合わせて向かっておりますとのこと
宿はバス停から車で20分ほど山上
結局合計3人になった
迎えの運転手さんに「滝の見える道に行ってもらえますか」という
「はいはい」と快い返事
日本の滝100選の一つ「三階の滝」(181m)
車を止めてくれた
峩々温泉は一軒家(蔵王の中腹海抜800m)
運転手さんの話では先の地震で古い建物は壊れ
途中の道も土砂崩れで数か月の休館になったとか





部屋は残念
「天空の湯」というのが名物湯
空いてればいつでも入れる
ただしその時は入湯中の札を掛ける
一回目の時は入湯中だった
その間に男湯露天風呂に行く

峩々温泉は日本三大胃腸の湯の一つ
「四万温泉」「湯平温泉」「峩々温泉」
上の風呂は熱くて入れない
横にあるスポンジのマットを敷いて横になり置いてある
竹の筒で胃腸にお湯をかける
それでも熱くて5~6回で止めた
出てくると「天空」が空いていた


なるほど天気が良ければ天空も最高だろう
飲泉場
温泉もいいがここの料理は本当に美味かった
シェフが「ハム・ソーセージの国際コンクール金賞」とか
メインはソーセージだった
普段あまり食べないが美味い




松茸の茶碗蒸しやナスの丸ごとチーズ焼きなど本当に美味い
デザートは薪ストーブのあるフロントのテーブルで
携帯は圏外
WI‐FIはフロントしか使えない
なんでこんなとこに男一人で来ているんだろう
6日目
朝はハムだ
最終日は20:00福島駅発京都駅の夜行で帰る
それまで行けるところに行く
山の麓遠刈田温泉に寄り 白石城を見て JR福島駅まで行く
福島交通の飯坂線に乗り換え終点「飯坂温泉」で一風呂入り
福島まで帰り 晩飯を食ってバスに乗る

宿の運転手さんに遠刈田温泉の中心地「神の湯」までで降ろしてもらった
次のバスまで50分ある
小雨交じりだったので上手く写っていない(右はNETの写真)
多くの人が出入りしている
男湯も一杯だった
ロッカーがないので神の湯の受付のおばあさんに言うと
いいよここで預かっといてやるからと言う
ほんと助かります
(NETから)
浴槽は2つあって熱め(44~45℃)
温め(42~43℃)
まあどっちも熱い
町を散策する
「峩々温泉」に泊まらなければここに泊まろうと思っていた「源兵衛」
温泉街
ミヤコウの運転手さんに教えてもらったように市役所前で降りると5分ほどで城に着く



無料貸し出しの兜と鎧
インバウンドなら大人気だろう
天守閣からの眺め
酒蔵「蔵王」(左の○) JR白石駅(真ん中の〇) 東北新幹線白石蔵王駅(右の〇)
武家屋敷
JR白石駅まで歩いて15分 福島へ
JR福島駅まで40分足らず 本数も結構多い



福島駅内に福島交通の発着がある
飯坂線は福島市郊外の通勤通学と観光客で30分に1本だが
結構人が多い
飯坂温泉まで30分
駅前の芭蕉さん
『五月朔日の事也
其夜 飯塚(飯坂のこと)にとまる
出湯あれば 湯に入って 宿をかるに 土座に筵を敷て あやしき貧家也
ともし火もなければ ゆるりの火かけに 寝床をもうけてふす
ふしたる上に 雨もりて 蚤蚊にせゝられてねむれす
持病さへおこりて 消入計になん
短夜の空もようよう明れば 又旅立ぬ』
芭蕉「奥の細道」より
目指すは共同浴場「鯖湖湯(さばこゆ)」



老舗「中村旅館」
その斜め前が鯖湖湯

(上はNETより)
風呂は次から次に人が入る
しかし熱くて入れない
最近観光客も多いので41℃くらいに水を足してくださいと書いてある
地元の人はそれが不服なようで 老人がこりや温いわと独り言
観光客はとにかくざぶざぶ湯をかぶり慣らしていく
数十秒入ると手足の先がじんじんしてくる
でも何時か行った山口の温泉津温泉よりはましかな
駅に戻る途中共同風呂「波来湯」がある
ここがこの旅の最後の湯となる



台風でどうなるかと思っていたがなんとか旅が出来た
今回も本当に素晴らしい地域と人々と文化と温泉に触れられた
飽きることのない見果てぬ旅を夢見て・・・
了