五十四段 屋久島に行く

念願の「屋久島」である。
結論から言えば 地球の自然の全てがこのちっぽけな島に凝縮されている
かつて 西表島から利尻・礼文 八丈島 隠岐 対馬と 多数の島を訪れるが 
これだけの種類の自然を備えた場所は あっただろうか。まさに「神の島」と表してもいいのではないか。

この自然を紹介するにあたり あまりにもちっぽけな 表現力では捕らえきれないので
極力 写真を多くし 文字を少なくした。
本物の 自然を感じたければ御自分の肌で触れることをお勧めする



機上から開聞岳を見る



とりあえず体慣らしに
白谷雲水峡 3時間コースを歩く








 

 



屋久島の海





ここ日本一の海亀産卵場





屋久島での出会い





屋久島総合自然公園を歩く









屋久島の温泉






屋久島の風景










屋久杉ランド 2時間コース












屋久島に想う

「自然が創り上げた」 と言うだけでは 余りにも軽すぎる。
何兆個とある星の中で 地球のような 星はいくつあるのだろう。
その地球の中で 屋久島のような地はいくつあるのだろう。
「神」は御自分の保養地としてこの地を創生されたに違いない。
水と木と山と海と川と太陽と雨とそして温泉と。
そんな自然と共生する生命もまた当たり前ながら自然の一部なんだ。
人も猿も鹿も 鳥も魚もそして 木々達も。
ヤクスギとは樹齢1000年以上の杉をさして言う。1000年以下はコスギ。
この地の時間の物指しは 1000年単位である。
杉と照葉樹と苔で噎せ返る山道は岩と木の根の絨毯である。

流れる汗が 水筒を忘れてきたことを思い出させる。
絨毯を横切って山の肌から頻りに聖水がほとばしる。
地にひれ伏して腹一杯に啜る。
この「神からの贈り物」が 体内に染み渡っていく。
目から 耳から 口から 全ての臓器を通して 乾いた脳みそに浸透していく。
そうなんだ 今 自然と一体になったのだ。
数千年の生命を支えてきた同じ聖なる水が 自分の体内にも充満する。
あふれ出た命の水は 目から染み出る。
こんな感動と感銘を与えてくれた自然と この地に立たせてくれた多くの人の協力と善意 への想いが 混在一体となって頬をつたう。

この地は「遺伝子の宝庫」 あらゆる生物が数千万年の営みを繰り返す。
「ウミガメ産卵場」はかれらの子宮。1万4千人の島人と6千匹の島猿。
亀の万年に迫らんとする杉。
この豊かな聖地にも受難の時期があったという。
しかし 数千年の生命体の慙死屍を乗り越えて 更なる自然が覆いかぶさる。
 多くの水分を含んだ海からの風が 2000mの山々で上昇気流となって急速に冷やされ 世界でも稀なる雨量をもたらす。
この水のサイクルは140万年前から繰り返されている。

この還水装置を この超自然的システムを 
「自然が創り上げた」と言うだけでは 余りにも軽すぎる。

屋久島メモ



人 口 13,937(人)
面 積 504.55(k㎡) 周囲132Km
位 置 鹿児島県大隅半島の佐多岬から南南西約60kmに位置する島。鹿児島港からフェリーで約4時間、鹿児島市の北埠頭からトッピーで2時間(指宿経由)~2時間35分(種子島経由)、鹿児島空港から屋久島空港まで飛行機で40分で到着する。
気 候 沿岸の亜熱帯から山頂の冷温帯までの多様な気候をもたらし、平地で年間4000ミリ前後、山頂部では年間10000ミリもの雨を降らせる。海岸部の集落では年間平均気温は20℃前後だが、山奥の山頂部では6~7℃になると推定されており、3~6mの積雪に覆われるところもある。
(淡路島は周囲203Km 面積595.64K㎡)

白谷雲水峡は標高800m 面積424ヘクタール 屋久杉などの原生的な森林を容易に鑑賞できる。
ヤクスギと照葉樹が混生し 林内は めずらしい地床植物(シダ コケ類)で緑に覆われており
「もものけ姫」の舞台にもなっている。

白谷雲水峡
入場料 高校生以上:300円(協力金)
開場時間 年中開放(冬期雪のため通行止めの場合あり)
休日 無休
連絡先(09974) 2-0100(上屋久町役場)
ヤクスギランド
入場料 高校生以上:300円(協力金)
開場時間 年中開放(冬期雪のため通行止めの場合あり)
休日 無休
連絡先(09974) 6-3221(屋久町役場)

温泉
地区 名称 電話
(09974)
料金[大人]
   [子供]
入浴時間 休み
一湊 大浦温泉 4-2800 300円
100円
10:00~17:00 毎週火曜日
12/26~1/7
楠川 楠川温泉 2-1166 300円
100円
9:30~20:00


尾之間温泉 7-2872 200円
100円
7:00~21:00
ホテル
屋久島温泉
7-2011 200円
100円
10:00~21:00
いわさきホテル 7-3888 1200円
600円
6:00~11:00
15:00~23:00
平内 平内海中温泉 干潮時前後2時間
湯泊 湯泊温泉 無料 24時間

屋久杉観音

 仏像を彫る為の「屋久杉」を求め 国道筋の「屋久杉製品販売所」に立ち寄った。
店自体はさほど大きくないが 隣が木工所になっていて しきりに轆轤の音が聞こえてくる。
「少し見せてください」と 奥さんらしき人に声をかけて まずみやげものになるようなものを物色する。
しかし どれも べらぼうに高価である。高いものは数百万円 ちょっとしたもので 3千円 5千円する。
全部 機械彫りらしく 手掘りと思われるものはどこにいっても無かったが やはりこの店でも無い。
彫刻にはあまり参考にならなかったが 木目の出し方などは素晴らしいものがある。

何点か買い求め 次に「彫刻用の木材」は無いですかと聞いたところ 「何を彫られるのですか」と奥さん。
「能面とか仏像ですが」というと 隣の木工所で作業していた お父さんを呼んで 取り次いでくれた。
「まあ 座りなさい」とおとうさん(実はあとで名刺をいただいて ここの社長さん)にうながされ お茶をいただきながら 彫刻談議。

木のことやら 彫りのことやら 素人とプロの違いはあっても 話は通じる 心通じるものがあるのであろう
楽しいひと時を過ごした。
おとうさんが立ち上がり 工場に案内してくれて これはどうじゃ あれはどうじゃと木端をもってきてくれるが
もうひとつ ぴったりこない。
店にもどったおとうさんは商品で置いてある「表札用」の「屋久杉」を3つ出して 「これをあげる 3つ彫ったら 一つ私に送ってくれ」と言う。
ええ!一瞬「やった!」と思ったが すぐに「これはえらいこっちゃ。プロにもらわれるほどの物が出来るかな」というプレッシャーである。
そして 帰宅後彫リ上がったのがこの「屋久観音」(勝手に命名)である。
旅行中に怪我入院をした 家族の早期治癒と屋久島の自然保護を願いながら彫った。
樹齢1000年以上でないと付けられない「屋久杉」の焼印の付いた初めての「杉」の彫刻である。
思いのほか木は柔らかかったが その木目の美しさ 木の香り 上品さ 彫りながら 本当に私のような者がさわってもいいのかな とためらいながらも こんなにも素晴らしい素に触れる喜びに浸っていた。
何とか 一ヶ月で彫ったが 細かい部分は美しい木目を生かすため 出来るだけ省いた。
全体として 木目の美しさと 1000年の木から出てこられた「観音さま」の雰囲気が出せればと思った。