百十九段 室戸岬
昨年 関西地方は経験したことがないような地震と台風に見舞われた
その台風は「第3室戸台風」と命名されてもおかしくないほど「第2室戸台風」の規模と軌跡が似通っている
経験は無いが「室戸台風」も同じ様だったのだろう
第2と「第3」室戸台風は室戸岬の真上を通過している
室戸岬は「星の美しい所」としても知られていると聞き
これは是非生きている間に行っておかねばと 行った
星観察の第一条件は天候であるが7月なら梅雨もほぼ終わっているだろう その7月の新月は7月3日である
しかしそれは素人の浅はかさ
6月末になってやっと梅雨入りした(記録的には1番遅いらしい)しかも梅雨入り同時に記録的大雨
九州南部が集中攻撃されている 四国の西部(宿毛・宇和島近辺)も要注意である
今回の旅行行程は上の地図の赤線の如く阪急高速バスで大阪から明石大橋を渡り淡路島から鳴門大橋を渡り吉野川沿いから四国山脈
を超えて(ほとんどトンネル)高知市のJR高知駅まで行き「土佐くろしお鉄道」で御免・安芸から奈半利終点まで奈半利から路線バスで「室戸岬」駅まで行く
そこで2泊して帰ろうかと思ったが折角なので高知まで戻り「四万十川遊覧」して「宿毛」で1泊宿毛から路線バスで「宇和島」(宇和島城や博物館見学)そこからJR予土線で松山
松山から伊予鉄高速バスで阪急3番街にもどるという計画であった
出発2日前天候は最悪の兆し
とりあえず四万十川遊覧の予約取り消し(たぶん清流は見れない) 松山からのバスの予約取り消し
この時点では宿毛まで行ってその先のバスや列車が危険に感じたので高知まで引き返しJRで帰ってもいいかなとも思う
しかし宿毛・宇和島も大雨警報出っぱなし 室戸の雨はさほどでは無いがまず「満天の星」はソラアキマヘンわな
もう今回の旅行そのものをキャンセルしょうかと直前まで悩んだが
こんな時こそあの2回も経験した大型台風の様な様子を見てみたいというアホがいた
そして実際に行脚したのは地図の青線
では出発
阪急3番街7時20分発 少し贅沢に3列シートでゆったり
関西は時々晴れ間も出て雨は降っていない
淡路島を通過 三好(徳島)から長いトンネルを抜けるとそこから先はすべて雨だった

JR高知駅前12:08分着
列車の乗り継ぎは1時間10分
駅前に大きな3体の像が立っている

武市半平太 坂本竜馬 中岡慎太郎
大きな像なので後ろに下がると
おっと
しかし路面電車の屋根にエアコンの室外機とは素晴らしい
駅横のイベント館では観光案内や土産物 竜馬を中心とした幕末志士の展示も素晴らしい







へ~ 西郷隆盛の肖像は無く従弟の顔から外人が想像して描いたんだ


さすが高知だね こんなの見ていると1時間がアッと言う間
「土佐くろしお鉄道」は4番線
構内に「アンパンマン」がうじゃうじゃ そうか「やなせたかし」て高知県(香美市)なんだ
秋田駅は「マサル」と「なまはげ」 ここは「アンパンマン」と「勤王の志士」 みんな頑張っています








おっと ここにも!
高知湾に沿って海岸線を南下する終点奈半利まで1時間23分
ものすごい雨になって来た

景色が見えるのはトンネルに入ると風圧で雨が飛ばされるトンネルから出て来た一瞬だけ
安芸の一つ手前が「球場前駅」
なんと「阪神タイガース安芸ドーム」 駅の目の前にある
岩崎弥太郎はこの安芸が生家とか
奈半利駅14:42分着
室戸岬までは47分発の路線バスで58分 15:45分着予定

来る途中の各駅には「この駅は海抜何mにあります 予想津波には大丈夫ですが念のためご注意ください」とある
どの駅も10m以上の高さがある 海岸線の防潮堤も結構頑丈で高い
先月行った石巻から仙台の補修中の防潮堤よりはるかに高くて分厚い
避難ビルもあちこちにある
バスはマイクロバス
数百mおきに津波避難場所の印
気候を利用してあたり一帯がハウス栽培
ハウス栽培の間に家がある感
客も最後の一人となり降りしきる雨の「室戸岬」バス停に着く
バス停の前が今日と明日の2日間泊まる「民宿室戸荘」と観光案内所と中岡慎太郎の大きな像が並んでいる

その前が国道55号線 国道の向こうは太平洋海岸である その向こうはアメリカとなる
後ろは灯台と24番札所を擁する絶壁のような岬
ここはその最突端
宿に入る前に雨の中周辺を周ってみる






観光案内所には人が居なかったが展望台からどんな所に来ているのか様子を見る
明日もこの雨ではあの海岸や崖の上の灯台や札所に行き気がしないな~
「お世話になります」とおもむろに戸を広げる
同年輩の優しそうな叔母さん
「今日は1組と貴方なので どの部屋も空いてます。どこがいいですか」
「どこでもいいですよ」
玄関の上の 海に一番近い「オーシャンビュー」の部屋となった

トタン屋根に大粒の雨が

(youtubeへ)
17時半頃お風呂に湯が入りましたと電話があり
夕食は18時半から
もう一組は別棟なので風呂もトイレも全部独り占め
食堂には子供4~5人と2組の夫婦で賑やか
名古屋から来ているようだ
あの子供たちが同棟だったらちょっと・・・・
食事までTVの天気予報に真剣
とりあえず 乾杯!!
まぐろ・かつお・さば・さめ の刺身
室戸牛
おのみ
マンボウ
生まれて初めて食べたがこりこりして最高に美味い
深夜から明日午前中は大雨予報
もうこんな食事とビールがあるんだったら星もなんもいらんはという気分
ビールを飲みながら宿の叔母さんと話をしていると どうもよく話が合う
年齢は1つ違いの団塊世代
第2室戸台風もよく覚えている
この宿は昭和21年「南海大地震」と昭和9年室戸台風で全壊したそうだ
と言ってアルバムを見せてくれた
なんでも俳句が趣味であちこち吟行されるようだ
俳句は知識が無いと詠めない
知識欲と行動力に富み明るく前向きな気質これが「いごっそう」に繋がるんだと思った
叔父さんが「俺の飯はどうなっとるんじゃ」というような顔をして食堂にきた
なんと時間は20時半 2時間も盛り上がっていたんだ
「明日 雨が止んでれば灯台に上がり深層深海水プールに行きます」と言って部屋に戻る
早朝からの旅 寝付くのは早い
2日目
もう一つの家族グループが朝7時半の食事と言っていたのでこちらもそれに時間を合わす

夜半に雨の音で目覚めるかと思っていたら全くそれはなかった
朝も雨は無く曇り どうやら 梅雨前線は予想より早く南下したようで
昼から好天しそうだ
まあ星観察は無理でも観光は出来そう
8時半ごろ宿を出る
「民宿室戸荘」は中岡慎太郎像と観光協会との間である
「へんろ道」を上がって灯台と24番札所最御崎寺に行き再び降りてきて御厨人窟から青年大師像から「シレストむろと」まで行く
帰りは海岸沿いの遊歩道を歩く 片道30分ほどである





徒歩20分とあるが絶対無理
上がりきって右に行くと24番札所 もう汗だく 膝ががくがく


さすが札所とあってりっぱ
寺門を出て少し下った50mほどの海側に灯台がある

目の前に灯台がある!!
この灯台は従来のイメージと違って本当にランプのような形
感動のあまり言葉が出ない

(上の写真クリックでyoutube)
降りるのが又厄介
下界に降りて先に進むと10分の所に今回の目的でもある御厨人窟がある
かつて司馬遼太郎「空海の風景」でいつか来てみたいと思っていた




空海はこの窟で修行をしこの景色から「空と海」が一体に見えたので空海とか
(本当はまた別の場所ではという説もある・入窟には時間制限がある・社務所でヘルメットをお借りする)
将に真言密教の聖地である
そこから少しあるくと妙な物が見える


社務所には人はおらず猫が20匹ほどごろごろ寝さぼっている
大師像の足元には金色の涅槃像が見えている
入っていいものか、有料なのかなんとも奇妙 君子・・・・
海岸から撮った写真
奇妙寺から5分ほどの海岸寄りに洒落たホテルや室戸の海洋深層水を使った温泉や温水プール(34℃がある)
を擁した「シレストむろと」がある

正直 なんでこんなところにこんな夢みたいな施設があるのかわからない
ホテルのフロントのお姉さんも滅茶苦茶かわいいし



(上4枚の室内の写真はNETから)
本当にハワイか南国のリゾートにいる気分
地元の叔母さん叔父さんらが車で次から次と来ている
1日1300円で温泉やジャグジーや温水プールが使える(海パン・タオル550円・筆者に抜かりはなかろうパンツ・タオル持参)
プールは歩行用で25周で1km
朝からの歩行で足の筋肉が攣ってプールと温水ジャグジーを行ったり来たり
お湯は全て深層水(少し舐めたら濃い 汗が出てやたら目が染みる)
それにしても真ん中のへその様な所で全身の力を抜いてぷかぷか浮かぶ 天国
天気も青空が見えてきた
やっぱりすっぽんぽんの露天温泉が一番 南国の日差しの下 深層水温泉もたっぷり楽しんだ

隣のレストランでアイスコーヒーを飲んでいると「わ~ ゴキブリ」とよく見たら蟹
結局ここで3時半まで居た
足を引きずるようにして入館したが爽快な気分で海岸の「遊歩道」を帰る






(上の写真クリックでyoutube)
我が家に帰ったような安ど感 そして疲労感4時半ごろ宿に着き叔母さんに
「すみません ビール1本部屋で飲んで寝ますので 今日はお風呂要りません 6時半に食堂に降ります」
と言って 寝てしまった 目が覚めたのは6時15分 気持ちいいね
今日は客は他にいなかった
今日は「かつおのたたき」と「まぐろのステーキ」
こんな肉厚のマグロは食べたことがない マグロとカツオが腹の中のビールプールで泳いでいる
今夜は調理師の息子さんと3人でべちゃくちゃ
叔母さんが「明日もう少し遅くて良ければ神戸まで車で送ってあげますよ」と言ってくれる
「いえいえ 隣の町(東洋町〈徳島県〉)からでる徳島バスの高速バスを予約していますので 民宿の前のバス停から8時07分のバスに乗ります」
「そう それは仕方ないね」「神戸に行かれるんですか」「息子がオリックスファンで野球を見に行くんです」
「神戸で1泊されるんですか」「いやいやナイターでもその晩明石海峡を越えて帰ってきますよ」
人は好きなことをするときは他人には理解できないことをするもんですな
空や海や温泉巡りや・・・・
「今晩は星が見れるかも 見れたら前の浜へ行って寝転んで見たらいいですよ」と叔母さんが言う
「本当に信じられないですね 昨夜の雨からとても想像できないですよね」
「8時半ごろから行けばいいですよ でもこの上の灯台の光が邪魔するんですよ」と笑う
日本全国どこへ行っても日本語が通じるのは当たり前だがその言葉の内容の価値を共通し合えるのがその国・民族のアイデンティティなんだ
筆者一人の為に皆さんご飯が出来ないので7時半に部屋に戻り窓から空を見る
いい雰囲気
しかし絶対無理だと思って思いカメラ用三脚を持ってこなかった
どこか岩の上にでも置いて・・・・
8時半には真っ暗
カメラと懐中電灯をもって「あこうの木」の茂みから真っ暗な河岸に出る
おお 満天の星だ
アメリカまで何もないから星は水平線から後ろの灯台の崖まで満天である
所々雲があるのかな~
何度も何度も「ISO」「F」速度を試みるもカメラには写らない
情けない
上は灯台
この光が満天の星をまるでムービングライトの様に天空を約5秒で一回転している
これで瀬一杯 残念!
1時間ほど浜に仰向けになって堪能した
「叔母さん 本当にありがとう 感動しました でもカメラが下手で・・・」
諦めていた星まで見れて
朝7時の食事を終えお礼を言って宿を出る
8時07分時間通りバスが来た 役場前に8時53分着 大阪駅行高速バスは9時10分に出る
バスは約45分誰も乗り降りが無かった
例の如く運転席の横の席に座り運転手と情報交換 40歳代の気さくな運転手さん
「この辺も人が減って来たので空き家が多いですよ」
「宇和島の鯛めしは最高に美味いですよ」
「列車もバスも結構 運転中止があるので余裕を持ってこられた方が・・・」
「最近この辺も外人が増えてきましたよ」
「この浜の花火大会は近くで破裂するので運転していてびっくりしたことがあります」
といった具合
こちらは「太平洋側はまだ良い方ですよ 日本海側や東北など民営バスなど有りませんよ ほとんど町村営か補助でしか走りません
しかも朝晩1本とか病院とか役場前までとか それでも外人に会うんですよね
日本人でもなかなか汽車とバスを乗り継いでの観光は大変なのに 彼らはどこにでもいますね」
45分はあっという間に過ぎる
話が弾んで 降りるべく停留所を通り過ぎるところだった 2人で大笑い

この辺はサーフィンのメッカ
バスは海岸沿いから阿南・小松島・徳島と10ヵ所ほど客を拾って大阪駅14時20分に着いた
お遍路さんの県民は みんな人に優しいね
了