六十二段 観音の里「高月」に行く


何年も前にこなければいけなかった処にようやく やってきた
琵琶湖の最北端 「高月町」である
というのは
 ここは世に知られた「観音菩薩の里」
この里に「国宝十一面観音」がある
この観音を数年前に彫った(「kantaの仏像」に掲示)のだが
本当は彫る前に実物を拝顔したかったが来れなかった・・・
 
ではなぜ「観音の里」なのか
湖北地方そのものが 観音信仰のあついところ
『「己高山縁起」によるとこの山は近江国鬼門にあたり いにしえより修業場
でありそこえ行基が仏像を刻んで寺を建て』とあり
平安の時代からさかえた寺々がやがて衰退し 寺は廃寺化したが 残された仏像が
村の守り本尊として里の民衆の手で守られてきたという
従って展示仏は「どこどこ村所蔵」というのが多い
ということは この地に観音さまの数が多いというだけではなく
この地の多くの民衆に支えられて守られてきたということが「里」の意味である

と前置きが長いが
ともかく「京都駅」9:48北陸本線敦賀行き快速 「近江塩津」11:01着 乗換え北陸本線姫路行き快速
「高月駅」11:17分に着いた
琵琶湖の最北端「余呉」から2駅のところ 琵琶湖を半周したことになる
帰りは「長浜」「米原」「草津」経由「京都」なので琵琶湖を一周することになる



なかなかりっぱな駅である 降りるとすぐにいつも通り駅舎内にある「レンタサイクル」
に直行「15時18分の汽車に乗りたいのですが」というと
受付のやさしそうなおねえさんが本当に親切 丁寧に 地図やパンフレットを広げて
コースを説明してくれる
4時間ほどなので 里の3分の1くらいの量であるが 主だったところは全部入っている
ここのマイカーはとても上等でしっかりしている
ほんの5分程のところに 第一目標の「国宝十一面観音像」のある「渡岸寺観音堂」
の前に出る 歩いても10分ほど




ここには昭和58年に今上天皇 平成22年に現皇太子殿下が来られたという
本堂には 本尊がぽつんと座っておられるだけで
脇持であるはずの観音は本堂の横の「宝物館」に安置されている
300円お布施するとおじさんが戸を開けてくれ 説明のテープを流してくれる
説明をききながら 周囲を回れるようになっているので 写真では不明な部分が
目の前で見れる
やはり 彫る前に来ておくべきだった!!
全国に国宝の十一面観音は7体あるがこの美しさは他を圧倒している
彫刻としても最上級であろう

参拝者は結構続いて来ていた

この寺の隣に「歴史民族資料館」があり 近在する観音さまを集めて展示していた
ビデオで過去にNHKや朝日放送がこの里の特集をしたのをながしている
今見てきた「国宝十一面」のすごさを改めて知った





さてここからサイクリングである
 


この里は本当に里をあげて 観光に取り組んでいると思った
里の人に道をたずねても親切だし お寺にいってもみんな「ようお参り」と声を
かけてくれる
サイクリングロードもきれいに整備され 案内も十分されている
清潔で 品があって凛としている






展示館から高時川の堤防「さくら通り」上をはしる
秋のひねもす 彼岸花とコスモスが沿道を飾る

なんとのどかなんだろう
3Kmほどいくと 土手の左手に集落がみえてくる
ここが「雨森(あめのもり)の里」である
江戸時代の儒学者 雨森芳洲(1668~1755)の生地
でいまはその地が「雨森芳洲庵」と命名され展示館となり
また韓国との親交の場として存在している

里に入ってまずおどろいたのは なんときれいな里なんだ
里全体が完璧に整備されている







家の前の溝の水は冷たく透き通っている
自転車で通りかかると 突然「ばしゃ」と跳ね上がる
「わぁ~」と身を翻して避ける 丸々と太った40cmほどの鯉が威嚇している
ほとんど人も見れないのに この里の人々はどんなに豊かなんだろう
こんな中に「庵」がある




300円拝納させていただいて 「庵」に上がりこむ
所狭しと 芳洲の業績や朝鮮通信使の歴史 司馬遼太郎など著名人の
来庵時の写真など展示
来訪者が私一人で平日ということもあってか 受付のおばさんが
「お茶でもどうぞ」と言って頂いた




庭を前にしてお茶をいただきながら 朝鮮の国花「槿(むくげ)も咲いていますね」というと
そこから30~40分ほど話し込んでしまった
なんでも20年ほど前から韓国の若者が毎年40人ほどが日韓交流で来ており
この里に分散してホームステイするという
しかし昨年は「地震と放射能飛語」今年は「関係悪化」の影響で
来日がなかったという
そうかこんなところにまで影響しているのだ
おばさんは本当に残念そうにいろんなことを話してくれた
「橋下市長が言うように 島をどこと確定しないで 共同管理に」など政治的な
話にまで及んだ

おもわぬ長居をしてしまった
又土手のところまで戻って先に行く




橋を渡って山手のほうに行く
駅から5.5kmのところに「石道寺」と「鶏足寺」が在り
そこから戻って「薬師堂」「大日堂」にと
駅のおねえさんに言われたがとても時間が足りそうにない
とりあえず「石道寺」に向かう



山手の集落の奥に



「石道寺」
こんな村里に観音さまが祭られている
殆どの観音さまは村人が管理しているので
事前に予約するか 現場で「携帯」に電話して鍵を開けてもらう
「携帯番号」が貼ってある




この辺で帰らないと汽車に乗れない
帰りもこの堤防を走ったが 桜の時分はどんなだろう
ここは4月にもう一度こないといけない



蕎麦の花が満開である

汽車に少し時間があったので 駅周辺の観音寺に寄った



浄光寺                       大円寺


15時18分「高月」発 15時28分「長浜」着 高月から3駅に「長浜」がある
そこで降りて 駅から徒歩5分のところに「豊公園」がある
その公園内に「長浜城歴史博物館」や国民宿舎「豊公荘」やテニスコート
その先は琵琶湖に突き当たる
実はサイクリングの汗を流しにこの「豊公荘」の温泉に浸かりに来たのだ



長浜城歴史博物館

すぐその前にある国民宿舎「豊公荘」



この辺は「長浜太閤温泉」と言い 周りに大きな温泉ホテルが琵琶湖沿いに
並んでいる
近くには「須賀谷温泉」「尾上温泉」など点在する



国民宿舎のすぐ裏が琵琶湖



この長浜太閤温泉は有馬温泉とおなじ鉄を含むため赤さびている
12~18時までたちより湯を提供してくれる
受付で「お湯お願いします」と言うと奥から同年輩のおじさんが
「はいはい ゆっくりお入りください」とにこにこ
600円を払う
だれもいない さっそく撮影
このお風呂 滅茶苦茶熱い
しばらくすると 老人が入ってこられた「熱いですね」というと
「初めてですか」と問われる「はい」と答えると
そこからまた30~40分 湯船から出たり入ったりと
2人で話し込んでしまった
「会社を息子に任せて毎日来ているんですよ」
「年に4回は海外に行くんですよ」
「いままで頑張ってきたから おおいに楽しむんですよ」
「滋賀は本当にいいとこですよ」
など地元の歴史や身の上話をたくさん聞かせてもらいました
もうのぼせてしまって 「すみません汽車の時間ですのでお先に」と
一足先に出た

出たところにソファーとビールの自販機があったので
早速 汽車待ちのスーパードライ
本当に旨い!!
温泉から歩いて5分の「長浜駅」17時始発播州赤穂行き快速で1時間10分
京都まで温泉のぬくもりと 観音の里の人々のぬくもりと
スーパードライのぬくもりとで 夢心地の汽車だった