百四十一段  赤目四十八滝・養老の滝・三方五湖の旅

関西ではお馴染みの観光地 今更の感がしないわけではないが
「赤目四十八滝」はツアーで数回行ったことがある
しかしいつも滞在時間が一時間くらいで実際 本当に四十八滝もあるのかどうか
知らないし見たことない 昔 車谷長吉の小説「赤目四十八滝心中未遂」を読んでの影響があるのかもしれない 
今回行ける所まで行ってみる
「養老の滝」は居酒屋に行くのではない
居酒屋の屋号の元になった滝である 実際に行ったことがなかった
「三方五湖」も車でなんどか行ったことがある
最近 湖畔に縄文展示館と横に「福井年稿博物館」というのが出来たというので興味がある
以上三地点を線で結ぶと相当な時間を要する
以下の計画を立てた


1日目

赤目は三重県名張にあり 奈良県との境である
近鉄赤目口駅前から滝口まで三重交通バスで20分ほどだが この時期午前2本午後2本くらいしか出ていない
4月に入ると数も増える
従って10:20分に滝口に降りて14時55分のバスに乗らなければ桑名には夜遅くなる
案内書には岩窟滝まで90分の表示(その先は入山禁止) 
休憩も入れて大体12時過ぎの時点で折り返すことになる さて目的の岩窟滝まで行けるか

近鉄赤目口駅



バス停滝口付近には土産物店や「赤目温泉」旅館やサンショウウオが飼育されている自然博物館
などがある
入山料500円必要 入山時間や休日もあるので要注意

赤目滝入り口

いざ 出発!!




不動滝



柱状摂理が至る処に見られる
どこで噴火したんだろう
近くに温泉が有ってももおかしくない



荷担滝



琵琶滝

やった!到着 終着地 岩窟滝

岩窟滝の休憩所でコンビニのおにぎりと水を補給して下る

動いていないと寒い
休憩所に有る温度計が0℃に近い
途中で管理人の人と話していると 低体温症でよく救助要請があるとか
登ってくる途中の道がザクザクと霜の音
霜を踏む音をきいたのは久しぶりだ
子供の頃まだ未舗装が多かった通学路で あのザクザク音が壮快だった

そうだ下のバス停横の「赤目温泉」の宿の看板に「立ち寄り湯 14時までの受付」とあった
バスは14時36分発だから14時までに下山すれば温泉に入れる
頑張って歩くぞ~

宿には締め切り10分前に着いた
川に面した大きな奇麗な宿「対泉閣」
外見より中の方が数段に素晴らしい 設備・家具類・対応・温泉
全てが完璧の宿だ 宿泊をしていないので食事や部屋や寝具などは定かではないが
恐らく一級品だと想像できる(NETで見るとやはり結構な値段)
『オール読物編集部の鈴木文彦氏、柏原光太郎氏、石川啓次氏(カメラマン)、順ちゃん(妻)と赤目四十八滝へ。
対泉閣でインタビューを受ける。露天風呂に入る。気持ちいい。』車谷長吉禅全集第三巻より

残念ながら立ち寄り湯では露天風呂には入れなかった

汗を流し 体を温めてバス停に向かう

今の時期 人も少ないがそれでも半分は外人だった
帰りのバス客4名の内3名は外人
こんな場所知っているんだ
近鉄大阪線で伊勢中川で名古屋行にのりかえ今日の宿 桑名まで行く
遠く鈴鹿山系を臨この伊勢平野・濃尾平野は広い
家康や信長の財源は将にこの平野だと思った

桑名駅前の三交ホテルに宿を採った
明日の養老までの電車 養老線の始発駅である
温泉も入って来たし 近くのスーパーで弁当を買い部屋で食べ即寝てしまった


2日目

ホテルのバイキング朝食を食べ
桑名駅から大垣行の養老線に乗る


30分ほどで養老駅に着く
このあたりは伊吹山に繋がる養老山系が迫ってくる
かつての琵琶湖は鈴鹿山系の三重よりに有ったという
この平野が正しく湖底の様に思えた


養老駅

養老駅から滝までは3.4kmとある
養老神社と養老天命反転地に寄る予定

駅から滝に上がる川筋は非常に良く整備されていて
遊園地や公園・神社・イベント会場や川筋に植えられた桜が今か今かと開花を蕾を膨らませている
あと1週間もすればこの辺りは人で埋め尽くされるのだろう


高さ32m
この辺も玄武岩がごろごろの感じ

本滝の横の滝

養老の滝に纏わる親孝行と年号の話(養老町HPより)

『むかし、この美濃(みの)の国に、貧しいけれど親をうやまい大切にしている樵(きこり)が住んでいました。
 毎日山に登り薪(たきぎ)を取ってそれを売り、年老いた父を養っていましたが、
その日の暮らしに追われて老父の好む酒を十分に買うことができませんでした。
 ある日、いつもよりずっと山奥に登りました。谷深くの岩壁から流れ落ちる水をながめ「あぁ、あの水が酒であったらなあ」
と老父の喜ぶ顔を思い浮かべたとき、苔(こけ)むした岩から滑り落ちてしまいました。
しばらく気を失っていましたが、ふと気づくとどこからか酒の香りがただよってくるのです。
不思議に思ってあたりを見まわすと、岩間の泉から山吹色の水が湧き出ているのです。
これはどうしたことだろうとすくってなめてみると、かぐわしい酒の味がするのです。夢かと思いましたが、
「有難(ありがた)や天より授かったこの酒」と腰にさげているひょうたんに汲んで帰り老父に飲ませたところ、
半信半疑であった老父は一口飲んで驚き、二口飲んでは手をたたいて喜び、父と子のなごやかな笑い声が村中に広がりました。
老父はこの不思議な水を飲んだので白い髪は黒くなり、顔の皺(しわ)もなくなり、すっかり若々しくなりました。
 この不思議な水の出来事が、やがて都に伝えられると、
奈良の都の元正(げんしょう)天皇は「これは親孝行の心が天地の神々に通じてお誉めになったものでありましょう」とおおせになり、
さっそくこの地に行幸(ぎょうこう)になり、ご自身飲欲せられて、「わたしの膚(はだ)は滑らかになり
、痛む所を洗ったらすっかり治りました。めでたい出来事です、老を養う若変(わかがえ)り水です」
と年号を養老と改められ、80歳以上の老人に授階(じゅかい)や恩賜(おんちょう)があり、
孝子(こうし)や節婦(せっぷ)を表彰され、この地方の人々の税を免除なされました。』
古今著聞集(ここんちょもんじゅう)より訳文

なかなかの名瀑である
 
下りる途中養老神社に立ち寄る







一体何なんや 興味深々
『養老天命反転地は、世界的に活躍したアーティスト荒川修作氏と
そのパートナーで詩人のマドリン・ギンズ氏の30数年以上に及ぶ構想を実現したテーマパークです。
約18,000㎡に及ぶ広大な敷地には、水平、垂直な線は極力排除され、人工的な地平線が数多く配置されるなど
、至る所に人間の平衡感覚や遠近感を混乱させる仕掛けが施されています。
ここでは、皆様が身体を使い、バランスをとりながら、私たちの身体の持つさまざまな可能性を見つけることができます。
1995年に開園以来、25年以上経つ現在も国内外から年間約10万人が訪れています。
予想もつかない”不思議”と出会える空間をぜひお楽しみください!』反転地HPより)



人がジェラシックパークに入っている感じ
芸術家の感性をあまり理解できないまま退場

滝に行くよりもこの反転なんちゃらで足を踏ん張ったのが応えた
駅までが遠く感じられる
予定の時間には なんとか辿り着いた
 ここから敦賀までの移動が厄介

車窓からの伊吹山

大垣からJR東海道線で米原 米原でJR琵琶湖線に乗り換え 近江塩津
この駅は湖西線と琵琶湖線の終点 塩津からは北陸本線となる
塩津駅でいつも30分以上待たされる
この駅は高台に有り 駅も細長く 待合所は階段を深く降りてトンネルを通つて改札を出た所にある
勝手知った人は さっさと階段を降りて暖房の効いた待合所に行く
初めての人は吹き曝しの駅ホームに30分  JRももう少し案内してやればいいのに
いやだったら特急に乗れといわんばかり

30分待って敦賀行快速で13分 安価に旅をしょうとするのも大変でっせ

おお!新幹線の駅が在来線の駅の上にそびえている
今日の泊りは駅前の「ルートイン」
ホテルの検索で「楽天」でトイレ有り バス無し 朝食有りで他社より1500円安い
風呂は大浴場の利用とある 決まり

駅前を散策
明日の朝 駅前から巡回バスに乗るので
その場所を確認

駅前にある「都怒我阿羅斯等」の像

「敦賀」の名前の由来は諸説あるが
『崇神天皇の代に朝鮮半島から「都怒我阿羅斯等」(ツヌガアラシト)がこの地に渡来したことにちなんで「角鹿」と呼ばれるようになり、
和銅6年(713)に「敦賀」という字に改められた
古くは「都奴賀・つぬが」と呼んだ。敦賀半島が角状に飛び出していることから、「角処(つのか)」と呼び、
それが転訛したものと言われる。  
敦賀(つるが): 福井県敦賀市。古事記に「角鹿(つぬが)」としてあらわれる
額に角がある人物がこの地に滞在した、あるいは朝鮮半島から「都怒我阿羅斯等(つぬがあらしど)」が渡来したともいう。』(NETより)

当時の国際状況から日本海 とりわけ気比の地域は軍事・経済・外交で大きな役割を占めていた
「つれづれ42段」では東小浜をサイクリングし「奈良お水取り」の出発点を探った

今回は縄文時代いや7万年前に遡れる所をめざしてやって来た(かなり大袈裟)

チックインして早速大浴場へ
うん?大浴場はいずこに まあ温まれば良いよ

明日は駅前から8時40分発の循環バスに乗る
早くに寝る

3日目

三方五湖方面の循環バスは3月から11月の土・日しか運行しない
したがって今回の旅の行程はこのバスの運行に合わしている
運行時間は大体2時間おきなので1ヵ所に降りると2時間は滞在することになる
昨日まで真冬のような寒さだったが今日はそれに雨が加わった
当初 三方五湖レインボーラインの山頂展望台と水月湖の遊覧船に乗る予定だったが
雨・寒さ・風で一か所「縄文ロマンパーク」のみにした

バス停に少し早く行って運転手さんに
「乗り放題乗車券はどこで買うのですか」と訊くと
「一か所しか行かないのなら3000円の乗り放題は高くつきますよ 通常運賃でしかもICカード
を使えばそれも今はキャンペーン中で半額になります」と教えてくれた
ICカードは持っているがチャージしていないので出来ますかと問うと
還暦前後の運転手さんも「わたしも良くわからないのでやってみましょう」と
機械をごちゃごちゃ「一度お金を入れてみてください」1000円入れると画面に表示された
2人で顔を見合して一息
敦賀駅から循環して1ヵ所降りて敦賀駅までは2140円 その半額で1070である
3000円入れておいた 
帰りのJR京都駅までが1690円なので
結局「乗り放題乗車券3000円」分で京都まで帰れることになる まだお釣りが出る
みんな優しいね
乗客は5~6人
若狭国吉城址や山頂公園に降りる人が3名いたが 寒いだろうな

小浜線三方駅

三方五湖

ゴコイチバスはケーブル下で10分ほどトイレ休憩

三方五湖巡りのクルーズ船は客4名以上無いと出ない 今日は全く人の気配は無さそうだ

縄文ロマンパーク前に着いた
ここで2バス目の13時30分まで滞在
先に隣に有る「福井年稿博物館」に行く 70才以上は無料だった(通常500円)

世界でも最長の7万年の地球の状態が判るらしい
この奇跡の湖「水月湖」は①直接流れ込む河川がない ②湖底に生物が生息していない ③時間が経過しても埋まらない
の理由で水がかき混ぜられない為だという


1階の「年稿シアター」は素晴らしい 10名程の席 10分足らずの上映だが
画面が円形で床も映る 水月湖に潜水艦で潜る様な映像で湖底から更に潜り
その時代の堆積物の特徴などを視覚化している
足元も写るので実際に潜る様な感覚 本当に感動した

湖に貯まるのものからどんなことが判るのか
地球の温暖・寒冷による生物の変化・大気の状態・火山活動など




研究室

水月湖のそばの遺跡再現

博物館には入館料500円が要った
ここの建築も面白い まるで円墳の中に入る様な感じ
館内の展示物も展示方法も素晴らしい
福井県は恐竜博物館が有名だが福井駅の恐竜ロボットや駅のベンチにさりげなく恐竜
の人形が座っていたり センスのある県だと思った

2020年福井駅にて写す


ここの展示物の質と展示方法は非常に優れていると思った





8000年前とか4000年前によくこんなデザインが出来るもんだ
現代と殆ど同じだ 縄文のイメージが大きく変わる

床のガラスの下は丸木舟が発掘された時の再現


将に縄文だ
服装などはアイヌの様な感じ でも江戸時代の小作人と変わらない
髪型も洒落ている 


毎日がキャンプ 



人糞の化石は初めて見る

水月瑚の周辺は最良の住宅地だったんだ
もう大満足でバスに乗る

新幹線開通祝賀で敦賀駅は大混雑
子供連れの家族が新幹線ホームの入場券を買うのに列をなしていた

京都まで在来線ホームからまた塩津で一服して

「行きたい所」リストアップの一部が消化出来た達成感で家路に着く
いい旅でした