その29 万座温泉・高峰高原温泉・鹿教湯温泉

今回はいつもと様子が違う
予定通りにいかなかった

浅間温泉・美ヶ原温泉・御岳山などキャンセルした
理由は体調不良である 具体的には熱中症(だと思っている)である

1日目

軽井沢から鬼押し出しまで行くバスは1時間に1本出ているが
そこから万座温泉に行くバスは1日に2本しか無い
軽井沢駅11時31分のバスに乗るには京都6時17分発の新幹線と名古屋から長野行の特急(はくたか12号)に乗り
長野から軽井沢行の北陸新幹線に乗るのが一番安くて早い
他にも東京廻りの軽井沢があるが料金が5000円程高い
又夜行バスも過去2回ほど軽井沢まで乗ったことがあるが到着が早朝6時で
駅の商店も施設も開いていないし
今回は11時31分まで長い
やはりここは新幹線を使わざるを得ない
京都からの各特急の自由席は3連休の最終日とあってか結構混んでいた

木曽福島駅の桧の集材所

松本から長野に行く途中 姨捨山の棚田

3分の差で軽井沢行の新幹線「はく」に乗れなかった 長野駅で50分待つ

軽井沢の町沿いは以前の賑わいに近かった
これに外国人が加わると大騒動だ
バスは人と車で混み合う中を遅れ遅れで進む
有名店らしき前には必ず10数人の列がある
隣席の3歳くらいの子供連れの家族の嫁が旦那に列のある店の説明をしている
「ここの 蕎麦は」「ここのピザは」「ここのケーキは」「ここのパンは」
有難いことに並ばなくても大体様子が判る
しかしそもそも暑さ寒さの中 よく並んで物を買うなと感心する
お金を頂く客を平気で並ばせる経営者の根性がわからん
町の眼科や耳鼻科でも患者が早くから医院前で並んでいるのを見ると
同じように思う まして患者を待合室ではなく外で待たせて平気な医者がいるんだ
はなしは反れたが 多くの乗客は「星野リゾート」経営の日帰り温泉館前で殆ど降りた
結局鬼押し出しには30分遅れて到着した
ここまででバス料金は1230円

やはり車での来園が圧倒的に多い

浅間山は以前に浅間牧場から見たがここは溶岩が流れてくるほど近いのだ 

見晴台(1358m)から白根山・万座山法目㎜を望む


白根山と浅間山の間は火山性平原になっている
ここから万座迄に高原野菜で有名な嬬恋村(つまごいむら)がある
この一帯は西武プリンス王国のようだ
軽井沢の駅周辺のボーリング場やショッピング施設・交通機関・ゴルフ場・宿泊施設・遊園地
まど全てプリンスの名前がついている

浅間山の山頂付近に小さい黒い物が見えているあんな所に観測所でも
と思っていたら案内板があった

本当は3千トンもあるという岩の塊
あまりにも重いので吹き上げられなかったんだろう
火口は奇麗な御椀型なんだ
それにしても見事な寝観音のお姿
さしずめ千トン岩は乳首かな へそかな 

以前中国四川の楽山大仏の見学の時 船から見た涅槃像には仏塔が微妙な所に建っていた
みんなで大笑いした(写真は四川楽山・揚子江)

鬼押し出しから万座のバスが来ない
看板に書いてあるあるバス会社に電話をしょうとしたら姿が見えた
これも30分遅れである
ここから更に1時間である

嬬恋の畑

途中万座鹿沢駅から4~5人乗った
これは高崎から草間口を通り大前までの吾妻線である 昔バスで吾妻にきたが見事な紅葉だった
前回は崖崩れで草津口から先はバス振替だった
電車は通るようになったがバスは白根山の噴火危機で今も通行止め

万座バスセンターに降りるともうイオウの匂いがいっぱい
周りの崖から湯煙やイオウ水が流れている
ここまでバス賃は1970円 軽井沢からだと片道3000円を超える

今夜の宿は「万座高原ホテル」
本当は少し上にある源泉横の「日進館」の希望だが1人では断られた
でも日帰り入浴が4時半までとあるのでそれに期待する
プリンス系はもう一つ「万座プリンスホテル」があるがここも断られた
高原高原ホテルはプリンスホテルの姉妹館 ここの庭園式露天風呂には魅力がある

松田先生によると「標高1800m、上信国境の草津白根山の西腹に濃い硫黄臭を漂わせる万座。
『湯本(草津)より三里山上なり、萬座湯といふあり、硫黄・明礬出づる熱湯なり、その先信州越後へつづきて長し』
と「上野志」に硫黄と明礬の産地として登場する。・・・・万座の本格的な開発は明治6年黒岩栄太郎が
「日進館」を建てて以来主に黒岩一族によってすすめられてきた。
かつて万座は信州から万座峠を越え、白根山の鏡池経由で草津へ抜ける途中の草深い秘湯であった。」

窓を空けるとすぐ下がイオウの川 その向こうは切り立った崖

チェックインを済ませて荷物を置きすぐに「日進館」に向かった
ホテルの夕食はバイキングで18時30分から20時30分までにお越しくださいとある
時間は充分ある
ところが温泉の町自体が急斜面に建っているので宿は近くに見えているのになかなか進まない


イオウ源泉の横を通り日進館に着く

バスの遅れやらホテルのチェックインやらで日進館に着いたら17時だった


日帰り受付は16時30分である
人気の宿とあってフロントも混んでいる
フロントの若いお姉さんに「すみません 日帰り入浴お願いできますか」と聞く
「いえ今日はもう終了しています」と言う
「なんとかお願い出来ませんか」と懇願する
横にいた責任者の様な叔母さんが「今日は本当に特別にお受けします」と言う
「本当に特別ですよ」と又言う  いい男は得をする!? 1000円払う
9つの湯が楽しめるというかけ流し 素晴らしい
結構人も多い 昼間鬼押し出しで出会った4人組の外国人(推測でトルコ系)
も素っ裸で入っていた ここで泊まるんだ
勿論写真は撮れなかったのでHPから拝借


全部の湯船を一巡して服を着て外に出る
宿から80m歩いてイオウ源泉に向かうと日進館の外湯「極楽湯」がある
入浴券を持っておればここも入れる


男女に別れている
湯船に80歳は超えていると思われる老人が1人湯船から頭を出して
「ああいい湯だ!あなたが来たからここは2人じめだ ああ極楽極楽」
と表突に歓迎の言葉を受ける
湯の写真はHPからで好天時の写真
しかし湯は写真と同様に真っ白だった
すぐ下が 来るときに通って来たイオウの源泉
爺さんが立ち上がるとその背中はCの様に曲がっていた
90歳前後かも
それからも爺さんは湯に入ってくる虫を手にすくって外に逃がしてやる
そして殆ど1人で喋り続ける
「ここは先代の時の料理は美味かった 息子に変わってから落ちたね 嫁が客の前に立たないのはだめだね
那須の〇〇旅館も支配人が変わってから全然駄目になった」など楽しく話す
 この人は浅く広くではなく長く深い温泉巡りをしているんだ
「この極楽湯からアメリカのCNNが実況中継したんだよ」とも言った
1時間近くおじいさんの話を聞いていた
もうイオウの匂いと湯で足がふやけてきた
「ありがとうございました お先に出ます」という
「コロナなんかイオウ湯と腹一杯の飯で感染なんかないよ」といって見送ってくれた

すっかり暗くなった山道をホテルに戻る
食事の前にホテルの風呂にご挨拶
ここはホテルとしてはめずらしく混浴である
バスタオルを腰に巻いて女性は胸から巻いて入る
下2枚の写真はHPより


イオウの源泉から直接引いているようだ
これだけ広いと男女別の湯船など作れないだろう
ほとんどが夫婦連れなので独り者は目立つ
端の方で小さく湯に浸る
湯に入って満天を楽しみにしていたがその後 夜通し大雨だった

万座プリンスホテルの風呂も共通で入れるのだが相当急な坂道を上がるので
ここで充分だ  

バイキング会場に行くと結構人が多い
4~50人はいただろうか

ところが並んでいる物に全く指触が動かない
種類も少なく何度廻っても盆が埋まらない
まあ料金が料金だけに仕方ないかな
早朝の出発と久しぶりのビールにもうくたくたで朝まで寝てしまった
夜中 横の川の音と雨の音が大きく響いていた
万座は爺さんとの極楽湯が最高だった

2日目

昨夜の雨は朝まで続いていた
朝11時05分軽井沢までのホテルの送迎車が出るのでそれに合わせた
山上のプリンスホテルの客と一緒なので結構な人数
そりゃ3000円の価値がある送迎だ
途中鬼押し出しで5分のトイレ休憩
昨日と変わって平日の軽井沢は落ち着いていた

駅の案内所に行って高峰高原までのバス停はどこですかと聞いた
「ここからは出ていません 小諸駅前からです」という
どうやら工程表にミスをしているようだ
軽井沢から13:08発しなの電鉄で小諸仁行くというのがぬけている
小諸駅には新宿駅から直通の高速バスが止まりそこから高峰高原に行く
電車やバスの時間に間違いが無かったので行程通りには行けた
ただ天気が悪い



駅前に経つと目の前の山(高峰高原)や浅間山の山頂付近が雲に隠れている
さてどうしょうぞ 多分山頂はガスで景色は無理
温泉に入るだけでも良いのだが帰りのバスが2時間後である
日帰りは2軒あるので梯子すれば2時間なら大丈夫
後悔もいやなので 上がることにした

今夜の宿は駅から徒歩3分 場所も確認した(白い建物)

バスはJRバスだった 何故新宿からJRバスが不思議に思った どうやらこの辺は国有林が多く
多分旧郵政省関連の施設が多かったんだろう

山頂まで片道1100円
東京からの客4名と小諸から3名乗った
山は本当に山だった
昔 赤軍が「浅間山荘」を占拠する事件はこの山中である
山の中腹に浅間山登山口がある

ここから4km程に天狗温泉「浅間山荘」(赤軍事件とは関係が無い)がある
今回本当は山頂の「高峰高原温泉」「か「高峰高原ホテル」に泊まりたかった
今年の2月頃には1人でも宿泊可になっていたのだが
5月頃にはどちらも不可になった(多分客数が多くなったきたのだろう)
天狗温泉「浅間山荘」は6月くらいまで1人可だったが申し込もうと思ったら
もう不可だった
それで今夜の宿は麓の小諸駅近くのホテルにした

やはり山頂近くまでは小諸の町が見えていたが2000mに近づくとガスに入った


ホテルは峠にあった 車坂峠1973mの標識
客は1人だけ降りた あとの客は1km先の「高峰高原温泉ランプの宿」に行くようである
ランプの宿に泊まるのは抵抗がある
夏ならいいが冬は締め切った部屋であの灯油の臭いは頭が痛くなる
今回も高原温泉には日帰り湯だけにしょうと思っていた
しかしバスを降りたものの梯子しょうと思っていた気持ちが萎えた
こんなガスの山道で1km先の宿に行けるのだろうか
兎に角1軒目のホテルに入る

ホテルには人の気配がない
フロントで何度か声を掛けると奥から40歳代の男性が愛想する様子もなく出て来た
この時間 風呂にもどこにも人影が無かった


山の下から強風がガスと共に吹き上がってくる
ガラスが割れないかと心配である
天気ならこのガラス越しに素晴らしい光景が見れるはずである
そもそもこの高峰温泉はここからの源泉は無い
先の天狗温泉は含鉄の源泉を持っているが
そこ以外は近くの源泉からタンク車とかで運び入れている
ここは温泉と言うより山の景色や登山やトレッキングや天空を楽しむのが主体だ
その心算で来ているがやはりこのガスではどうしょうも無い
フロントの男性もこんな思いなんだろう
この強風とガスでは外に出るのも憚れるのでこの湯に1時間ほどいた

フロント前のロビーでバス待ちをさせてもらった
ロビーの端で70歳くらいの従業員らしい叔母さんが連休中の客のタオルを畳んでいた
「バス停はすぐ前だから時間ギリギリまでここにいなさい」と言ってくれた
2人で30分程会話した
やはり誰にも笑顔が出ないような状況だという
先の見えないガスと強風 広いロビーの静寂さが印象に残った

バスは予定通り来ない
10分過ぎている 本当に来るんだろうか 前のホテルに確認したいがもし行っている間に
バスが来たら素通りされるだろう
15分遅れでガスの中からバスが見えた

これぞ高峰高原の白馬だ!!

ホテルは明日訪問の「懐古園」の隣の「小諸グランドキャッスルホテル」
料金体系などどこかで出会った感じ
HPを見てみると伊東園経営 伊東温泉の時に泊まったことがある
低料金の上にビールも酒もドリンクものみ放題である
部屋もアパホテルなどより遥かに広い たぶんここは居抜きだろう
バイキングの内容も昨夜より遥かにいい
まあ目くそ鼻くそを笑う類かもしれないが

ビール1杯飲んで部屋に戻った

4階に温泉があるらしいが気が引けて止めた

3日目

今日は少し日差しが戻っている その分暑くなりそう

フロントに昼前に帰ってくるのでと荷物を預けた
隣の懐古園に向かう
中学2年生の時の 国語の先生が授業の最初に必ず漢詩や詩の詩吟をされる
我々には「千曲川旅情の歌」を暗唱できるように指示され
最後まで覚えて暗唱しなさいと言う
その内に暗唱できるようになった
それ以来一度は小諸からの千曲川を観たいと思っていた

小諸城址の三の門に料金所がある


藤村記念館や小山敬三美術館等の共通券を買った
小諸城はJR 今のしなの線で分断されている
大手門は駅の反対側にある
線路の下が地下通路になっていて反対側に通じている


再びトンネルで三の門に戻り本丸跡や天守閣跡や藤村記念館に向かう









「千曲川旅情の歌」歌碑

館内は撮影禁止だが「破戒」の第一章直筆の原稿や愛用した茶器や灰皿セットなどが展示され
又 教鞭をとっていた時の同僚との写真など当時の姿を彷彿とさせる
見ごたえのある記念館であった

最後に小諸市立小山敬三美術館を訪れた
地元小諸市出身の洋画家で文化勲章を受賞という
浅学者にとってその知識は無かった
ここも撮影禁止だった

藤村のすすめでフランスに留学しているから同郷の知己があるんだ

浅間晩秋 油彩 1964年

美術館の前は「寅さん記念館」だったが既に廃館になっていた

12時13分発の上田行に乗るべく駅に向かう

昨日雲の中だった高峰の山々が顔をを出している

途中の駅の看板

上田の手前「信濃国分寺駅」からすぐの所に国分寺跡が整備されている(車窓から)
上田には国府も設けられたとあるので信濃の中心は上田だったんだ

上田は来るたびに発展しているように思える
駅前の風景が大きく変わっている
駅前からバスで1時間余り 上田は広い 1時間走ってもまだ上田だ
何でも上田と丸子と真田等と合併したので隣は松本市になる
丸子の中心地はりっぱな病院やIT企業の大きな建物も並んでいる
とても信州の山中とは思えない程
その松本市との境の山中に古びた鹿教湯(かけゆ)温泉がある


五台橋

この地の観光案内には紅葉時のこの場所の写真が掲載される

橋の袂にある立ち寄り湯

宿に入るには少し早いので周辺を散策する

橋の先は文殊堂

松田先生によると「長野県上田市の南西、開けた山合に湧く鹿教湯温泉は、古くから『中風の名湯』として知られてきた
小岩井隆著「信州の温泉」によると、既に寛政9年(1797年)に上州新田郡の代官、岩松満次郎が中風治療
の為、女中、料理人ら数人を伴って湯治に来た記録が残されている。
こうした江戸時代からの伝統を受け継ぎ現在でも全国屈指の療養温泉地である。・・・
創業が江戸末期か明治初頭といわれる「ふじや旅館」の大浴場の湯口は、伝統に因んで鹿の顔を形どったものだ。・・・
ふじや旅館の脇を流れる内村川にかかる屋根付きの五台橋を渡り、石段を登ると薬師如来や
文殊堂がある。昔から自力でここに詣でられるようになるともう大丈夫だろうといわれてきた。
ちなみにこの文殊堂は日本三大文殊のひとつとか。」

宿に入る 数回呼ぶと40歳代の男性が宿主


6畳一間の湯治場風
既に布団も敷いてある
鹿教湯は本来は湯治場なんだろう
しかし多くの小さい宿は殆ど閉じている
そんな中 窓からは新しい流れになっている宿が見える

古い温泉街の周辺にリハビリの病院やクアハウスや目の前のホテルのような続々建設中だった
上田や丸子の発展を見ているとこの地は奥座敷になるのでは
湯は透明な素晴らしい温泉だった


風呂の下は谷川

客は一人のようだ
部屋に食事を運んでくれる

値段の割には結構な食事

食事を終え7時頃 体の上半身が異常に火照る
TVを見ていて突然だった
喉や頭などの痛みは無い しかし火照りとふらつき感がある
これはコロナか熱中症かととっさに思った
何れにしても体を冷やそうと両脇と喉に冷たいタオルを巻いて背中から扇風機を当てた
これだと明日の旅は無理だろうと美ヶ原温泉の「すぎもと旅館」に電話入れた
理由を話すと女将さんが心安く キャンセル料は結構ですよ お大事してくださいと言ってくれた
「すぎもと」は料理旅館で1人ではなかなか泊まりにくいのをあちこちのサイトを検索して
なんとか予約出来ただけに残念である
何度かタオルを代えていると少し火照りが収まった
なんとか明日自宅かそうでなくとも松本まで出たい
この山中ではどうにもならない
その内に寝てしまった

4日目

朝6時頃目が覚めた 火照り感はなかったがまだ体がふらつく感じ
朝食を部屋で済ませて宿主に松本行のバスは11時5分まで無いので
11時少し前まで部屋に居らせてほしいと言う

朝食も結構美味しく食べたのだが写真を摂る余裕がなかったのだろう
バスに乗ると山の景色と風が窓から飛び込んでくる
体が急に軽くなった
これなら家まで帰れると確信した
松本駅で名古屋までの特急と京都までの新幹線を買って一直線で家に着く
熱は36.9℃ 掛かりつけ医に行こうと思ったが市販の薬で様子を見た
3日後 念の為掛かりつけ医に行った
痛みもなく熱も無く4回のワクチン済みとあって問題にされなかった
「しっかり水分はとってくださいよ」とだけ言われた

今は心の後遺症だけが残っている
そんな旅だった