番外編その5 知床「岩尾別温泉」「羅臼温泉」
幾度か北海道を訪れるが知床は初めて
緊急宣言が解除されるかどうか不明のまま8月にツアーを申し込んだ
出発直前に解除となり台風16号も過ぎ去り一安心
1日目
9時35分発羽田行きJAL110便10時40分着
ここで2時間待ち
女満別空港(めまんべつ)に行く便が少ないのであろう


(伊丹ー羽田でもガラガラの機内)

(女満別行きは飛行機が小さくなったせいか結構混んでいる)

(MEMANBETUKUKOU)
空港で旅行会社の現地添乗員とバスガイドが出迎えてくれた
今回参加の13名とも顔合わせ
一人旅5名 夫婦・友人4組である
着くやいなや早速チョンボした
バスに乗ろうとしたらガイドがあなたはこのグループでは無いですよと言われあわてて空港内にもどる
我添乗員は何かの説明をしていた
グループに戻りトイレから帰ってきた様に装う
海外最後のオーストリアのザルツブルク事件(拙者が中国人グループに付いていき日本人グループとはぐれて大騒ぎに?)と同じだ
あれ以来海外旅行は無理だと思った
がいよいよ国内旅行もだろうか 已矣哉


(左のナンバープレート11-55が他社 右の4-32の網走バスが拙者のグループ)
今時ガイドが付くのは珍しい
生まれも育ちも網走のベテランだ
「網走バスですが決して護送車ではありません」と
面白おかしく案内してくれる
ウトロ方面に向かって国道334号線を1時間半 鮭の遡上が見れる遠音別川(おんねべつ)に向かう

(40人乗りに13名だから余裕の車内)

バスが急ブレーキ
運転手が遠くの丹頂鶴を見つけて停車して見せてくれた
午前中は好天だったが我々が着いた頃から曇り 時折小雨がパラパラ
先行き不安

(堆肥用の菜の花と甜菜畑と知床連山)
国道沿いに「エゾシカファーム「というのがある
ガイドが感情的に話す
「鹿が増えて冬は樹の皮を食料とするため知床の森が荒廃してきています
それでどんどん鹿を処分しています
でも子供はこのファームで飼育して成長させ太ったら食肉にしています
このファームには子供エリア・大人エリア・加工前エリアと缶詰工場があります」
「まあ他の動物の食料肉もみんなそうですがね。人間の都合で処理されるんです。人が一番残酷な動物でしょうかね」

(小鹿の飼育エリア)
川が海に出会う浜には大勢の釣り人が何十本もの釣り竿を立てている
漁業権上鮭が遡上する川や河口周辺での釣りは禁止されパトカーも巡回しているらしいが
この後もこの時期河口はどこも釣り竿が乱立していた
添乗員が車が溢れて駐車できないかもしれませんがその時は別の場所に行きます
という
なんとかバスは駐車できた
目の前の10メートルもない細い川に何匹か見た
多い時は底が真っ黒になるほどいるらしい







鮭の生態は生物の神秘さと残酷さ示す ここがその現場だ

ウトロ港を通り過ぎいよいよ知床世界自然遺産地区に入る
日本では現在4ヵ所 屋久島・白神山地・小笠原諸島・知床である
今回4ヶ所目の知床に来れて乾杯!(3ヵ所は「つれづれ」に掲載済み)
岩尾別川から先知床岬迄の70Kmが遺産地域
今日泊まるのは遺産内にある岩尾別温泉「地の涯(ちのはて)」
到着時はもう真っ暗
食後19時45分から21時までナイトサファリ―があるので温泉は帰館してからにする
食事の時も皆飲酒は控えていたようだ




ほかほかのホッケは美味かった
40歳前後の女性のネイチャーガイドが我らの網走バスに乗り込んできた
明朗で爽やかなガイドだった
網走バス車内から周辺をウオッチしょうということだ
この時期川筋は熊の出没が最多でバスからは降りれない
強力な懐中電灯が5個配られて皆で道筋や河原を照らしながらバスはゆっくり進
最初はやっぱり鹿だ この時期単独で暮らすりっぱな角の雄鹿も雌のグループにいる


誰かが「鹿」とか「キツネ」とか叫ぶとバスは止まりみんなその方に移動する
これはいつかボツワナのザンビア川でやったサファリを思い出した
ボツワナでは「ワニ」「カバ」「像」「キリン」と誰かが叫ぶと船上であちこち動き回る
ここでは車内である

キタキツネの親子

この枝の先端にシマフクロウがいるらしい
直接ライトを当てるのはまずいのでうっすらと当てるというルールだという
少し離れた枝に親もいるようだ
巣立ち前の子供はまだ餌が取れないので「ぴ~ぴ~」(成鳥はヴ~ヴ~)と鳴いて餌を求めているとガイドが言う
このベテランのガイドも興奮気味で「日本ではこの北海道に140羽しかいないシマフクロウの2羽
が視れてしかも鳴き声も聞けるなんて滅多に無いです」となんども言う
その内ガイドの携帯に仲間からの情報で岩尾別川の河原に熊がいるらしい
バスは一直線に川に向かう

橋の上から見えている

安全を確認してみんなバスから降りて熊を追う
ガイドによるとこの熊は100kgくらいでまだ幼く狩りも下手で結局死んいる鮭を食べていると言う
大人の雄は300kg位になるそうだ
しかし毛皮もぴかぴかと黒光りして筋肉も盛り上がっていた
本当にカムイ(荒神)のようだ
ガイドが少し雲が切れて来たので星を観にいきましょうと言って
大型バスが止まれる真っ暗な駐車場に連れて行ってくれた
雲が一瞬無くなったかのように天空に天野川や北斗七星が輝いていた
このガイドさん「星のガイド」もしているとかで
天まで届く解説用のペンライトでこれはなんとか星これは・・・・
その内又雲で殆ど見れなくなった
今日は新月だったんだ 本当に自然が満天の一日だった
予定にはなかったのでなんか得した気分
宿の帰り温泉に浸かり直ぐに寝てしまった
2日目
朝5時半に目が覚めた昨日下見した温泉の撮影である
しかしNETにでていた「三段露天風呂」やその奥の「滝」など見当たらなかった
今のところなんという特徴も無い温泉である
部屋の窓から宿の下を見ると右端に小さな橋がある
風呂の前に散歩に出た



小川の橋を渡って川筋を少し下がると50才前後のおじさんがズボンを履いているところだった
「ここは温泉ですか」と聞くと「はい ウトロでここの温泉がいいですよと聞いて来ました」
「上段は熱いですよ 下段はぬるいです」と言って上がられた
そこにはNETで見た三段露天温泉があった
これだ! これだ!

そして更に下に行くともう一つ小さな露天がある
ここは上の三段と泉質が違うようである

直ぐに部屋に引き返し宿のタオルとバスタオルとカメラを持ち
パンツとズボンとセーターだけになって露天に戻った

確かに熱い しかし十分耐えられる
少し硫黄臭がある
体に纏わり着くようなとろり感



これ以上の満足感があるだろうか
帰りの飛行機に乗る前に添乗員にここの話をしたら
よく知っていた
でもこれを客には勧められないだろう
まず足場が悪い 脱衣場が無い 女子にはハードルが高い 熊の危険性もある
でもマニアが望む温泉はこれなんだな~

下の温泉に行く


葉っぱが浮いて底は少し泥があるがいい湯加減で臭いもない
余り長居はしたくない感じ
宿に戻り正式なお宿の湯に浸かる





普通の大浴場と2段の露天風呂がある
露天は混浴で宿専用の湯あみ着着用となっている
昨夜ご婦人が2~3人来られたがあまり広くない浴槽で
近すぎるので直ぐに出た
いい温泉でした

飯も食って
出発は9時半
知床五湖の内 1湖に行く
途中昨夜とは違う若い男性ネイチャーガイドが知床自然センターから乗り込んだ
この人も明朗で爽快な案内をしてくれる
岩尾別川の上流の温泉から下ってくると河口近くにサケマス孵卵放流所が見える

最近この岩尾別川周辺のアマチュア写真家や観光客が熊を写そうとする行動が危険だと
問題視されているとか

(川筋には多くのカメラマンや観光客が)
知床五湖は知床連山の中の硫黄山の噴火に因って出来た
昨日は見えて無かった連山が全て見える
新しいガイドも高揚気味

上の地図で緑の線を歩くと5湖が巡れる
しかし地道なので熊などに遭遇する危険もあり入山者はパースサービスセンターでいろんなレクチャーを受講
しないと許可が出ない
一湖だけだが高架木道は片道800mほどだが周りは高電圧線に守られている
我々は茶色の線の高架木道を往復する


昭和50年代迄この辺はジャガイモ畑と牧畜場で湖は牛の水飲み場だったとか
全国からの寄付金で市が農場を買い取って元の森にしょうとするが
オホーツク海からの風と塩と雪氷で時間を要しているという

(この時期紅葉の一番は山ぶどう 甘みは少なく少し渋みがあるが美味い)
再びウトロ港に戻り今度は海からこの半島の一端を観る
途中海岸道路の飯屋で昼食


食道の横に「ハマナス」の実が


北海道の定番
ウトロ港から14:00発の観光船に乗る
少し時間があるので「駅の道」と「知床世界観光センター」で待機





熊の食事跡


隣の「駅の道」の売店
鮭は一切れ100円だと思いこんでいたが・・・・
「だしの素」で十分族にはこの昆布は宝石に見える


(トイレの張り紙)


(ゴジラ岩)

なんじゃ患者で港に向かう
昨日は波高で欠航だったそうだ
今日は船長の判断で途中から引き返すこともあるという条件運航
条件運航で思い出すのは鹿児島から屋久島の飛行機
他の便は殆ど欠航だった
屋久島は条件運航
なんと雷と風で天井に頭がたたかれるほど飛び跳ねて座ってられない
腰を中にして足で踏ん張った
よくあれで引き返さなかったなと機長に感心した

我々13名の貸し切りかと思ったらもう一団体で定員60名で総勢40名程の乗船
〈追伸〉
2022年4月23日夜TVニースで「知床観光遊覧船KAZUⅠ」が遭難の報
改めて写し貯めたものを見るとやはり自分が乗った船のようだ
オレンジの浮き輪に{KAZU}と読める


 
多くの方が亡くなられ未だ多くの行方不明の方が早く見つかることを祈願して
合掌
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観光船には2つのコースがある
地図の赤色〇がウトロ港~赤丸熊の絵辺りの19番番屋近くまで行って引き返す1時間半コースと
ウトロ港から知床岬までの往復3時間45分コースがある
19番番屋は先にNHK「熊を叱るおやじ」という番組で有名な漁師の宿泊所である
一般の人はここまで入れない
昨夜は岩尾別の上流で宿泊し今日降りてきて知床五湖に行き今ウトロ港から番屋まで行く
ついでに言うとウトロ港に帰って網走バスで羅臼岳の麓「知床峠」で国後島を見て
峠を超えて下った羅臼温泉が今日の宿である

港を出ると波が高い
遠くに知床岬が見えている
岬までの道路は無い




海から見た硫黄山と知床岬
硫黄山の頂上は噴火口で硫黄で白く見えている
中腹の白く見える所は1857年(安政4年)から1937年(昭和12年)まで幾度となく噴火していた
北側中腹の火口口

硫黄山からの水は硫黄滝となり海に注ぐ
海の色が2つに別れる
かつてこの丘の上で硫黄採掘が盛んだったという

TVで見た番屋傍の橋 テレビではこの橋が世界自然遺産の条件に合わないので撤去しなさいとカナダの学者が言っていた
その後はどうなったのか 今もその橋はあるようだ
橋の向こうに蝦夷鹿が数頭見える
帰りに橋の袂に熊が出た 反対側になるので上手く写真が写せず残念
いずれにしても人の手の入らない豊富な自然が一杯ということだ

半島の3分の2まで来た ここで引き返す
番屋は思ったより奇麗だった(TVでは掘っ立て小屋に見えた)

1時間半の揺れはこたえる
機嫌良さそうに羅臼岳(1661m)が向かえてくれる

羅臼岳もそろそろお休みの時間

上の写真の黄色〇から国後島を見る

分厚い雲の下に国後島が眠る
衝撃的だった この国のこんなにも近い所が拿捕されていたんだ
これは全長120kmの国後島の端っこにすぎない


バスガイドが何度も何度も「国後島を見ながら心の中で『返せ!返せ!』と言ってください」
と言う
思わずマスクの下の鼻をすすってしまった
♫『知床の岬に ハマナスの咲く頃 思い出しておくれよ 俺たちの事を 飲んで騒いで 丘に登れば
遥か国後に 白夜は明ける』♫
宿(羅臼温泉「峰の湯」)に着く頃は真っ暗だった


一風呂浴びて食事
これがまた老人とっては半端ではない量
普段夕食は納豆と野菜ジュースとや野菜スープと魚ソーセージ
からすれば竜宮城の浦島太郎状態






ホッケ一匹でも結構なボリューム
茶碗蒸しには砂糖(白い悪魔)を入れるらしい
ホタテは全く食べられなかった
部屋に戻るときフロントで「ここから『熊の湯』はどれくらい距離ですか」と聞く
「1kmで歩いて12~3分です」
「明日5時半に出かけて7時の朝食に間に合わそうと思いますが」
「その時間は毎朝ボラティアが風呂の掃除をしてお湯を貯めていると思いますので無理かと」
「では7時の朝食出発は9時ですのでその時間にします」と言う
熊除けの鈴やタオルカメラなど点検して早くに寝る
3日目
朝食前に宿の風呂に行く



朝食はおとなしい
食べて直ぐに宿を出る




国道の横に遊歩道があるがとても怖くて歩けない

橋の向こうに湯煙が




木々の合間にエメラルドの温泉が



掃除の時はこの橋が閉鎖される



女湯の向こうに裸天国があった


湯は熱くて入れない
赤いゴム管が水
最初 地元の漁師さんが3人入っていた
熱いので体の周りに赤いゴム管を回すと3人は怪訝な顔をする
そうだいままででも熱湯に慣れた地元の人は観光客を嫌う
でもここの漁師さん達は優しかった いろいろ話かけてくれる
漁の帰りには必ず来ると言う「俺たちは寒い海からの帰りでここの熱い湯に慣れてんだ」
みんな真っ黒の日焼け顔
地元民かそうでないかがすぐわかる
ひとしきり漁の話をして出ていく
続いて温泉マニアが来る
入れ替わり立ち代わり自然そのまんまだ
ここに来れたので此の旅の目的は達成
宿には8時30分に着いた
添乗員さんには事前に言っていたので
「どうでしたか」と聞く
「いや~最高でした もう大満足です」という
彼は「熊も心配だし熱くて入れませんよ
宿の風呂の方が一番ですよ」
と言うのでどうしょうか迷っていたが行って良かった
添乗員さんには嫌な客だろうな
全て自己責任です
バスは予定通り9時に出た


羅臼岳が余りにも奇麗だと言う事で峠で写真タイムをくれた
今日は国後島は霞んで見えなかった

途中ウトロ港から7kmの「オシンコシンの滝」により網走市内を抜けて
どこかの海岸の食堂で昼食タイム
そして女満別空港に行く




バスの運転手さんが少し遠回りして「天に続く道」を通りますと言う
国道334と244号線の全長18kmの直線道路の事らしい
話には聞いたことはある


なるほど 皆運転手さんに拍手した

甜菜の収穫

JR釧路本線の無人駅「北浜駅」に立ち寄る
流氷が見える駅 「網走番外地」の映画のロケ地としても有名らしい
中国映画のロケ地としても有名になり中国人観光客が増えたそういえば舎内の壁には中国人のメッセージが
一杯貼ってあった
今は喫茶店も兼ねている

知床半島ともお別れ

網走方面

(列車は勿論一両編成)
網走市内入って「網走刑務所」の前を通る
昔門の前で写真を撮ったことがあるが建物が様変わりしている


網走湖
空港にほど近い海岸の食堂で昼食タイム
ここはオプションなのでスルー
1時間ほどあるので前の海岸を散歩した



空港ソフトクリームを食べて1時間ほど待つ

機内は混んでいる

「ご搭乗ありがとうございました」のご挨拶
羽田で1時間待って伊丹まで戻る

羽田に降りる時国立競技場が眼下にあった
短いが楽しい旅でした
了