kantaとはにわ君の野次喜多考古見聞禄
時は平成13年12月16日(日) 京阪交野線の交野市 市役所前10時集合 少し冷たいが風なし ど快晴 絶好の考古日 行程約15km
市役所前から歩いて10分住宅街の中に長宝寺(交野寺)跡につく この一帯かつてはすべて田園風景だったのが今大阪と京都の中間点ということで京阪電車の支線であるが新興住宅地ともなっている。このことはいつも感じる発見と破壊の矛盾を生じることである。なんて御託を並べながら歩く。
北河内は交野 茨田 讃良 の3郡で構成され これは現在の枚方市 交野市 寝屋川市 門真市 守口市 四条畷市 大東市にあたり ここには11ヶ所の古代寺院が存在する
長宝寺跡は枚方台地の西端 この辺は郡津といい 交野郡の群衙や津があったことからの地名である。
はにわ君「人名や地名て大切なんですね」「フンフン」
出土の瓦は宇治凖上リ瓦窯出土の高句麗系を祖型としており
そもそもこの地域と渡来系とのかかわりが早くも現われている。
境内はかなり広いので掘ればかなりの遺構も期待される。 そこから歩いて25分天の川を挟んで香里団地の一角にぽつんと取り残されたような高台がある。中山観音寺跡である。今は団地開発でほとんど消失しているが出土品に瓦類他方形三尊磚仏や青銅製の懸仏 北宋銭などがある。特に
方形三尊磚仏は三重県夏目廃寺出土品と同型であり 京都の西山・山崎廃寺とも同型である。
数年前に名張にある夏目廃寺にいったがあんな遠方と同じ笵の磚仏が出てくるなんて考古学のダイナミックさである。その芯楚石の大きさから相当大きな寺が推測される。創建瓦とされる複弁八弁蓮華文軒丸瓦は平城宮式でもあるので同時代のものと想定される。



本当に今日は最高の天気 師走に我々も優雅であるが 街も特別その感もない。暖かい天気が師走を忘れさせる。
この廃寺から天の川つたいに約3.5km小一時間歩くがkanta
とはにわ君の会話がはずむ。
「この辺も変わったね 昔はこの先の私市にハイキングに行くのに通過するくらいで 途中はなにも無かったからね」「そうですね遠足できましたかね 今日は10数km歩くというので期待しているのです」「へエー何を期待?」「少し前から通風がでているのですよ 薬は呑んでいるのですが 運動が大事ですからね」「そりゃ大変だ 少しダイエットして 毎日歩いたら」「なかなか 難しいですね」
「この 天の川の水も結構きれいだね この上流に牽牛と織姫を祭った神社があって毎年七夕には祭事があるらしい この川に蛍でも住めるようにして 観光の目玉にしたらいいのにね」
「この辺は渡来系の人々とのかかわりが強い所だが もともとは物部氏の領地だったが 曽我氏との戦いに敗れ 天領になり 主に狩場(禁野)としてあったものに 崩壊した百済からの難民の一部をこの地に居住させたらしい」
「車以外には絶対歩かない所でしょうね」
なんて とりとめもない会話が距離を縮めさせてくれる。
天の川のすぐそばに枚方台地最大の古墳「禁野車塚古墳」がある。前方部は芝生が張ってあってゴルフのパターの練習をする親父がいた。
全長110m 後円部57mの前方後円墳 2段構築で 葺石も認められる。古墳時代前期終りから中期始めころと推定される。頂上部は盗掘穴が草の下にぼんやりあった。
(左は「天の川」)



ここから10分 いよいよ昼食予定地の「百済寺跡」である。
百済寺は延暦2年(783) 桓武天皇が交野で遊猟した際に 百済王氏の位階を進めたとあり 百済王氏とのかかわりが深く 百済滅亡時の国王義慈の王子善光を祖とする一族で 摂津国百済郡 河内交野郡を本拠としている。奈良の大仏建造の最終過程の金張りで敬福が金の寄進をしてこの地をもらったという有名な話もあり 事実は不明。双塔式の伽藍配置で瓦 小型連座磚仏など多数出土 瓦は新羅系の文様の物だというが 百済や新羅の関係がどうなっているのか すこし疑問のまま とにかく「飯だ!飯だ!」



デザートのミカンも食べてさあ出発。ここから約40分一駅はあろう でもまたぺちゃくちゃ まったく苦にならない。一人だったら馬鹿臭くて歩けないだろうな。
牧野車塚古墳(小倉車塚ともいう)は穂谷川左岸の台地にあり全長107m 後円部54.5m高さ5.5m 2段構築の前方後円墳である。一重の濠も認められる。周りに数基の陪塚もあったらしいが今は全部住宅と大学の敷地の下である。
古墳時代の中期前半と考えられる
。


さて次ぎは最終遺跡の九頭神廃寺。歩いて10分 そこは完全に住宅地 寺の所在も痕跡もない ただ1933年調査の時には焼けた土壇と大量の瓦が発掘されたという。ここでは高句麗系の瓦だという 本当に実際はどうなんでしょうね。
ここで調査行は終わりだが駅の近くで「生中」と枝豆で「考古学と通風君に乾杯!」 この瞬間を夢見て15kmを歩きました。
報告者 kanta
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