古代豪族秦氏の一大拠点
太秦周辺を歩く

 
好天の紅葉の頃 嵐山周辺を歩く
考古学の会でこのコースは3回目である
今回は考古の会というより紅葉狩りの様相で参加する

阪急嵐山駅に10時集合
さすがに同じようなことを考える人が多いのかいつもより格段に大勢

しかも紅葉観光真っただ中
世界中の人々であふれている



渡月橋を渡って土産物屋の路地の奥に「大井神社」がある
何度か嵐山に来ているが大通りの路地裏のこの神社の存在すら知らなかった。

今日の引率の青柳泰介先生のお話
「私が関心のある古代豪族、渡来系集団、導水設備、木材生産、流通などのキーワードを基に、
渡来集団を束ねた古代豪族秦氏の本拠地の太秦中心に訪ねます」

再び渡月橋を引き返し袂の一の井堰から少し山手にある宗像神社に行く





先生「秦氏が造営したといわれる大規模な井堰については現状では全くその痕跡を見出すことはできない。
しかし森浩一氏によると秦氏は6世紀代に秦始皇帝を祖先と仰ぐ渡来集団の混成集団であり、
その中には葛城地域にいた渡来集団の一部も傘下に入っていた可能性もある。
中国四川省の成都近郊で秦漢時代に造営された都江堰になぞらえてこの井堰の造営も想像できる」





宗像神社

先生「詳細は不明。周辺に平安時代の鋳銭所が置かれたようだ。筑紫の海の女神が祀られている」

そのすぐ近くに

法輪寺がある



法輪寺の展望台から遠く比叡山その前には双ケ丘が見える
この一帯が秦氏の開発推進地区











松尾大社

秦氏の氏神として祀られ
また秦酒公になぞられ酒の資料館や酒船が展示されている
さすがに壮大な神社
ちょうど七五三と重なり多くの参拝者でにぎわう
時間の関係で行けなかったがここの庭園(重森三玲造)や頂上に祀られる磐座などもう一度来たい

松尾大社を南下すると月読神社がある



月読神社

先生「詳細不明だが壱岐の神様を祀っており嵐山の宗像神社もそうだがいずれも韓半島への水上交通路上に祀られている神様
ゆえに渡来系集団秦氏の性格を考える上で示唆的な神社と言える」



1時頃上桂公園に着く
30分の食事タイム
ここから歩いて45分「蛇塚古墳」に行く








蛇塚古墳

ここに来たのは3度目だが何度見ても素晴らしい
先生「山城の石舞台と呼ばれ古墳時代末期のもの。住宅密集地のど真ん中にあり
突然視界にはいると感動を覚える。被葬者は泰河勝を想定する研究者が多いが
年代に齟齬があり決着していない。石室の長さは17.8m玄室は
長さ6.8m 幅3.8m 高さ5.2m 羨道長さ約11m 幅2.6m高さ3.4m

住宅街をぬけ松竹映画撮影所の横を通って
広隆寺に出る




広隆寺

今回台風の影響で訪れた神社の多くは倒木や瓦の損傷など被害が目立つ
この広隆寺も木の先の部分が飛び去ったようだ

先生「蛇塚古墳とこの広隆寺だけで秦氏の栄華を物語れるくらいメジャーなスポットです。
太子殿脇の小さな建物(太秦殿)内にかつて泰河勝夫婦像が祀られていた。

広隆寺から少し東に大酒神社がある



大酒神社

先生「かつて広隆寺の桂宮院に所在した鎮守社だったが明治時代以降に現在地に遷された

次に木島神社(蚕の社)に行く



木島神社(蚕の社)


  
  
遥拝所と蚕の社



         (どこから見ても鳥居になる三角鳥居と真中の石積から水が湧き 後に続く、ため池のような水路の設備)                     


先生「ここは養蚕で財をなしたといわれる秦氏のイメージが強いがそれは本殿の横にある蚕の社の存在があるから。
ただしこの木島神社も広隆寺とは無関係ではない。
境内地は太秦地域で唯一実態が判明している和泉式部町遺跡と重なる。秦氏が侵入してきたときは廃絶していたが
古墳時代中期の韓式土器などが出土しているのでこのことから秦氏の動向を考える上で重要なこと。
又境内地東北隅に湧水施設が確認されている。
特殊な三角鳥居を擁する湧水祭祀施設とともに三重県の城之越遺跡例のような構造の祭祀施設になる可能性がある。」

次に南下して天塚古墳に行く

その手前にかつて存在していた清水山古墳の跡地に造られた千石荘公園と石碑を見る



天塚古墳は住宅街の真ん中にあり「蛇塚古墳」よりも狭い環境にある
しかし前方後円の直径70mを超え鏡・ガラス玉・馬具・鉄鍬・鉄刀・甲冑・須恵器・円筒埴輪など出土している
時期は古墳時代後期前葉
清水山古墳も同じくらいの規模だったらしいが無届で完全消滅したようだ。

 

一部が宗教施設になっている

横穴羨道・玄室が2か所ある
全長は73m 蛇塚は75mなのでこの近辺では2番目の規模
石碑だけになっている清水山古墳は全長70m
 

人が多いのと暗いので写真が思うように取れない
上2枚はNETのもの掲載



時々土がぱらぱら落ちてくるというので早々に出た

5名づつしか入れないので待つだけで1時間かかる
結局見た人から流れ解散になってしまった


よく歩いたいや歩けた まあ平地ばっかりだからな~
先生最後までお付き合いいただきありがとうございました(右写真左から2番目チェック柄のシャツが青柳先生)